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トーリ勇退で、早くも
風雲急を告げる監督人事。
~異例のMLBストーブリーグ~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2010/09/30 06:00
今年で70歳。ヤンキースでは12年指揮を執り、チームを4度ワールドシリーズ制覇に導いた
名将ジョー・トーリが、公式戦終了を待たずして、今季限りでドジャースのユニホームを脱ぐことを表明した。と同時に、後任としてヤンキース時代からの腹心でもあるドン・マッティングリー打撃コーチの新監督就任を発表した。今季で契約切れとなるトーリの進退は、これまでも再三話題に上がっていた。昨年来、共同オーナーでもあるマッコート夫妻の離婚訴訟で資金繰りが滞り、開幕前には目立った補強も行なわず、チームは低迷。9月に入り、プレーオフ進出が絶望的となったことでトーリは決断した。
ただ、名監督のストーリーは、まだ終わっていない。トーリは「ドジャースの監督からリタイアする」と発表したものの、野球界から引退するとは言わず、「まだやれると思う」と本音を漏らした。現時点では、ドジャースに残り、アドバイザー的なポストに就くと言われているが、米球界では、また一人大物の「FA監督」が増えたと解釈されている。