プロ野球亭日乗BACK NUMBER
“ルール違反”統一球に自身の署名。
加藤良三コミッショナーの責任を問う。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNIKKAN SPORTS /AFLO
posted2013/06/23 08:01
結局釈明に終始するだけで真相不明だった、記者会見での加藤コミッショナー(右)と下田事務局長(左)。昨年夏のコミッショナー再選でのゴタゴタを考えると、想定された不祥事だったのかもしれない。
それでも加藤氏はコミッショナーの座に居続けるのか?
この“ルール外”のボールに、ご丁寧にも「加藤良三」というコミッショナーのサインを印刷して、それを使用させていた。こうなってくると、悪い冗談というか、まさに喜劇でしかない。
すでにNPBとミズノのボールに関する契約書は、加藤コミッショナーではなく、下田邦夫事務局長がサインしていたということも報道されている。これは慣例に従ってのものとはいえ、機構としてかなり重要なこの契約書を、少なくとも加藤コミッショナー自身も読んではいるはずである(読んでいなかったとなると、これは問題外だが……)。そこで下限を下回るボールが出てくることは承知していたということになり、その後のボールが“ルール外”のものだったということも、当然、把握していたはずなのである。
球界のトップが“ルール破り”に加担していた。
その事実だけでも、加藤コミッショナーが責任をとって辞めるに十分な過ちである。