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世代交代が急加速するドイツ代表に、
骨折したバラックは復帰できるか?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2010/09/18 08:00
ミヒャエル・バラックはどんな思いを抱いているのだろうか。
9月11日、ハノーファー96との試合で左足の脛骨を骨折してしまったのだ。全治には少なくとも6週間を要するそうで、最悪の場合は年内すべての試合に欠場する可能性もある。
バイヤー・レバークーゼンのユップ・ハインケス監督は肩を落とした。
「ミヒャエルにとっても我々にとっても最悪の時を迎えている。彼は少しずつトップフォームを取り戻しつつあったのに……」
バラックやレバークーゼンだけではなく、今回の負傷はドイツ代表にとっても、大きな影響がありそうだ。
ラームが新キャプテンとなり快進撃中のドイツ代表。
ドイツ代表はEURO2012にむけて好スタートを切っていた。9月3日に行なわれたベルギーとのアウェイゲームを0-1で辛くも逃げ切ると、7日のホームで行われたアゼルバイジャン戦を6-1で快勝したのだ。
バラックは、この戦いをTVから見守っていた。
この2試合で注目を集めたのは、ピッチの中ではなく、外でのやりとり。バラックの処遇についてだった。
2004年からドイツ代表のキャプテンとしてチームを引っ張ってきたバラックはW杯直前の怪我で、本大会への参加を見送った。本大会ではフィリップ・ラームがキャプテンを担い、ボランチのポジションはサミ・ケディラが務め、ドイツ代表はバラックの不在を感じさせない戦いぶりを見せた。
「キャプテンはバラック」と擁護したレーブ監督だが……。
W杯期間中に行なわれたあるアンケートでは、80%の人が「バラックは代表には不要だ」と答えていたほどだ。ヨハヒム・レーブ監督が「あくまでも代表のキャプテンはバラックであり、ラームは今大会におけるキャプテンに過ぎない」と繰り返したが、バラックは不要だと考えるドイツ人は増えていった。
さらに、本大会で勝ち進むにつれてラームが「今後もキャプテンを務めたい」と口にするようになり、代表のキャプテンをめぐる問題が議論されるようになった。レーブ監督も「9月から始まるEURO予選の前に、バラック、ラームの双方と話をして、キャプテンを決めたい」と態度を軟化させていた。