日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
イラクを完封もブラジルに通用するか?
求められる“コンフェデ仕様”の守備。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/06/12 11:45
試合後の長友は「今のチームメートは信頼関係もあるし、すごく良い雰囲気のチーム。これをもっと高めていって、世界でも勝てるようなサッカーをしたい」と語った。
ブラジル戦を見据えていたゆえの、執念の勝利。
ブラジルには昨年10月、カウンターに翻弄されて4点を奪われて大敗を喫している。その苦い経験は、生々しい記憶として一人ひとりの脳裏に焼き付いているはずだ。ボールを保持されて時間が長くなる守備を磨いて、いかにいい攻撃につなげられるか。そのためには「最後に仕事をさせない」もさることながら「最後のところまで行かせない」が大事になってくる。
コンフェデに話が及ぶと、指揮官も表情を厳しくした。
「ミスを極力少なくすることが大切になる。そこをしっかりと突いてくるのがブラジルだから。ブラジルは、ときによくない戦いもあるが、ポテンシャルは世界でナンバーワンのチームだ」
だが、時間が経つにつれて動きがよくなった細貝を含め、試合経験の少ないメンバーをここで試せたこともプラス材料だった。
イラクの先にあるブラジルを見ているからこその勝利への執念――。
王国ブラジルのハードルは極めて高い。しかし逆境にもひるまない、屈しない姿勢がなければ何も始まらない。何も起こらない。
決意と野心に偽りなし。彼らはいざ、ブラジルに乗り込む。