欧州CL通信BACK NUMBER
ドルトムントは“奇跡”を許さない!
鍵は攻め急ぐレアルの裏のスペース。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byBongarts/Getty Images
posted2013/04/30 13:10
CL準決勝、レアル・マドリーとの2ndレグ前日会見に臨むドルトムントのクロップ監督(左)とMFギュンドガン。16年ぶりの決勝進出がかかる一戦を前に、リラックスした表情を見せていた。
「死の組」での経験がドルトムントの選手たちの自信に。
死の組と言われたグループDでの2度にわたるレアル・マドリーとの対戦。ホームゲームでの1戦目は2-1で勝利、アウェイでの2戦目は2-2の引き分けと互角以上の戦いを見せ、レアルを抑えてグループ首位で決勝トーナメントに進んだ。このときの経験が、ドルトムントの選手たちの心のよりどころとなっているのだ。
ギュンドガンは、アウェイでの2戦目、後半44分にエジルにフリーキックからゴールを決められた場面を自分たちのミスだったと振り返ったうえで、こんなことを語っている。
「2-2で引き分けた2戦目も、(2-1で迎えた)後半の45分間のほうが良いプレーをしていたんだ。それが今度の試合の良い例になるだろうね。もう、あのときのような“ミス”を起こすことはないと思うね」
「俺たちのサッカーをすればいいんだ!」とGKのバイデンフェラー。
2つ目が、今シーズンの戦いを通して続けてきたサッカーに対する自信である。
今シーズンは前からプレスをかけることなく、しっかりと下がって相手のボールを奪いにいく戦いで挑んできた。昨シーズンまでのように前線からアグレッシブにプレッシャーをかけに行くことはない。それが、見事にはまって、ここまで7勝4分。ベスト4に進んだチームの中では唯一、1試合も負けていないのだ。レアルがビハインドをひっくりかえそうと前に出てくればくるほど、ドルトムントのやりたいサッカーが出来る可能性は高まる。
「レアルとすれば、早い時間で最初のゴールを決めようとしてくるだろうね」
そのようにキャプテンのケールは分析したうえで、こう続ける。
「そうなればオレたちはカウンターのチャンスを手にすることが出来るわけだし、それを決めるまでだ」
ケールと同じくボランチを務めるギュンドガンも、こう話している。
「彼らが空けるスペースを見つけ、それを有効に利用していけばいいんだよ」
彼らは、そうしたスペースを有効に使ってきたという自信がある。だからこそ、今シーズンの戦いを踏まえて、バイデンフェラーは、こう結論づける。
「俺たちのサッカーをすればいいんだ!」