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ヤング・ガンズとサイ・ヤング賞争い。
「投手の年」を制するのは誰か?
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2010/07/31 08:00
賞獲りの本命に躍り出たジョシュ・ジョンソン。 2002年、フロリダ・マーリンズに入団。 15勝5敗、防御率3.23という昨季の成績を上回ることは必至
22歳の新星は力感あふれるクレメンス・タイプ。
だが、最近5試合の結果だけに絞れば、無視しがたい投手があとふたりいる。ひとりはヴェテランの域に入ったヨハン・サンタナ(メッツ)で、もうひとりは22歳の新星マット・レイトス(パドレス)だ。
サンタナは過去5試合で3勝0敗、防御率0.71の成績を残している。レイトスも4勝0敗、防御率0.80と遜色がない。シーズン序盤に出遅れ感のあった両者だが、この調子で追い込めば大穴があかないともかぎらない。
とくに私の注目株はレイトスだ。力感あふれるモーション(ちょっとクレメンス・タイプだ)から投げ込まれる速球とスライダーが魅力的だし、なんといっても彼は内弁慶ではない。投手に有利な本拠地ペトコ・パークよりも、ロードゲームで好成績(7勝2敗)を残しているのだ(全体では11勝4敗)。昨年50イニングス以上を投げてしまったので新人王の資格はないが、この青年にはまだ伸びしろがある。来季以降も、眼を離さずにいようではないか。