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日本陸上界、リオへ向け再スタート!
飛躍のための改革と気鋭の若手たち。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byNaoki Ogura/JMPA
posted2013/04/19 10:30
ロンドン五輪で、自己ベストであり、日本選手として五輪歴代最高タイムとなる10秒07を記録した山縣亮太。グランプリシリーズ第3戦の織田記念(4月28日、29日)では、その走りに注目が集まっている。
4月20日、21日、神戸で陸上の兵庫リレーカーニバルが行なわれる。恒例の日本グランプリシリーズの初戦、トラック・フィールド種目の本格的なシーズン開幕である。以後、和歌山大会、織田記念、静岡国際と続くグランプリシリーズは、今年8月の世界選手権代表選考を兼ね、その後の日本選手権などにも続く重要な大会である。
それはロンドン五輪からリオデジャネイロ五輪へと向かう日本陸上界のスタートの場でもある。
ロンドン五輪に、日本は「メダル1、入賞5」の目標を掲げて臨んだ。
結果はメダルが室伏広治の銅の1つ、入賞は男子の4×100mリレーの5位と男子マラソンの中本健太郎の6位の2つ。ときに、陸上は不振に終わった競技としてクローズアップされることもあった。
ただ、実際のところは、北京でも同様にメダル1、入賞2であったし、五輪前の記録からすれば、十分健闘を見せた選手は少なくなかった。その点を考えれば、陸上全体がロンドンで不振であったとは言えない。
日本陸上界がリオに向けて取り組んできた改革。
それにもかかわらず、不振、低調に終わったかのような印象が強く残ったのは、他の多くの競技で躍進が目立ったこともあるだろう。
また、アテネまで活躍が続き、多くの人が関心を寄せる種目である女子マラソンで日本の3選手が16位、19位、79位という成績であったり、注目が高まっていた種目や選手の結果が芳しくなかったことが、陸上全体への印象となっている面も否めない。
いずれにせよ、あらためて、世界の大舞台で上位に入ることの厳しさを実感させられたのがロンドンであった。
ただ、厳しいとばかりは言っていられない。
陸上界を挙げて、リオへ向けての改革に取り組んできた。