フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ソチでの初の「団体戦」に向けて――。
フィギュア国別対抗の見どころ紹介。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAFLO SPORT
posted2013/04/11 11:00
3月31日、東日本大震災の復興支援を目的とした慈善演技会に出場した高橋大輔。今季最後の戦いとなる国別対抗では、6位に沈んだ世界選手権の雪辱をはらしたい。
4月11日から、東京の代々木第一体育館で第3回世界国別対抗戦が開催される。
もともと2009年に創設されたこの大会は、2年に一度の開催予定だった。だが2011年は3月に起きた東日本大震災の影響によって翌年2012年に延期となったため、昨年に続いて2年連続で開催されることになったのだ。
来年2月のソチ五輪から、フィギュアスケートでも団体戦が導入されることになり、その意味でも今回の大会の注目度は高い。今回、今シーズンの選手たちの成績によって選出されたのは、ポイントの高い順にカナダ、米国、日本、ロシア、フランス、そして前回のイタリアに代わって中国が2度目の進出を果たした。
タイトルを保持する日本チーム、各選手にとっての国別対抗。
男女シングルそれぞれ2名ずつ、そしてペアとアイスダンス1組ずつという形式で行われるこの大会で、前回は日本チームが圧勝した。
今シーズンは高橋大輔をチームキャプテンとして、浅田真央、鈴木明子、無良崇人、そしてアイスダンスはキャシー・リード&クリス・リードが出場する。
3月の世界選手権では6位に終った高橋だが、彼は観客の声援を演技に反映させるのがうまい選手だけに、代々木では良い演技を見せてくれることを期待したい。
今シーズンずっと安定した演技を見せてきた浅田真央にとっては、ここで再び最後にお気に入りだった今季のプログラムを滑ることができるのは、嬉しいチャンスに違いない。
その一方、世界選手権で12位という不調な演技だった鈴木明子にとっては、今シーズンを気持ちよく終える最後のチャンス。モチベーションを高く持って彼女本来の実力を見せて欲しい。また世界選手権で8位と健闘した無良の演技にも期待したい。
日本はペア不在のため、4種目中3種目での厳しい戦いに。
昨年の優勝に貢献した高橋成美&マーヴィン・トランのペアは残念ながら昨年の12月にチームを解散した。だが1月に高橋成美が新たに木原龍一とペアを組むことが発表された。本大会では、まだ試合への準備ができていないということで不参加となったものの、ソチ五輪に向けての明るいニュースとなった。
シングル選手ではどこの国にも引けをとらない強豪揃いとはいえ、日本チームは4種目中3種目のみで合計点を競うことになり、その意味では厳しい戦いを強いられることになりそうだ。