野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
新装開店・横浜スタジアムで
ベイスターズは変わるのか!?
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2013/04/09 10:30
3月13日に開催された平日デーゲームでのオープン戦が本拠地初試合。全面液晶のスコアボードにはイラストなど様々な映像が流れる。一、三塁側のファールゾーンには新たにエキサイティングシートが設けられた。
用意周到に準備した開幕セレモニーは雨天中止に……。
昨シーズンも京セラドーム大阪での開幕戦を1勝1敗1分で乗り切り、こりゃ行けるぞと思ったところでの本拠地開幕戦が雨で流れ、大魔神vs.ローズ(捕手谷繁)なんてレジェンド対決に水を差されてしまい、そこからマエケンのノーヒットノーランを含む4連続完封の6連敗。「新球団になって変わるかも」の期待はあっというまに潰え、「またか」の現実に直面したのは記憶に新しく。
そんな横浜の本拠地開幕戦は今年も雨だった。嫌な予感。
しかも今年の本拠地開幕戦は、新応援歌「勇者の遺伝子」を作曲した布袋寅泰氏を起用しての「過去のプロ野球界に類を見ないショー形式での開幕セレモニー」「本質的なサプライズをお楽しみください」なんて触れ込みがあり、開幕戦チケットも売れに売れた。その上での雨天中止。翌日の布袋氏のスケジュールは合わなかった為順延でなく完全中止。結局、用意されたショー形式での開幕セレモニーは誰の目に触れられることもなく流れてしまい、オフの間からこの日に向け準備を進めてきた球団職員の失意たるや如何許りかと思えば胸も痛む。
間の悪さも例年どおり、唯一の変化は大改装のハマスタ。
結局、翌日の開幕セレモニーに登場したのは、当初から2戦目に予定されていたなかやまきんに君&サバンナ八木の「ザ・健康ボーイズ」だった。
いや、このガッカリ感はしょうがない。
布袋寅泰というロック界の大物を擁しての前代未聞の開幕ショーなんてハードルが上がりきったところでは、誰が出てきても無理である。健康ボーイズに罪はない。本当に間が悪かったのだ。
憎むべきは雨である。
さらに開幕カードの巨人2連戦で競りながらも連敗と改めて嫌な予感しかしていない。昨年の「熱いぜ!」という目に見えない熱量的な変革を求めたことに満足せず、「勝」という言い逃れできない崖っぷちのスローガンを掲げた今季。いい試合をしながら最大の目的である「勝」に繋がりきれなかったことで、変わる変わると言いながら、今年も結局何も変わらないんじゃないか。何にも変わらず安住の場所へ帰っていくんじゃないか。そんな猜疑心と達観の間でモヤモヤしている最中、今のところ唯一、目に見えて確実に変わったといえるものがある。今年、大改装した横浜スタジアムだ。