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新装開店・横浜スタジアムで
ベイスターズは変わるのか!? 

text by

村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/04/09 10:30

新装開店・横浜スタジアムでベイスターズは変わるのか!?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

3月13日に開催された平日デーゲームでのオープン戦が本拠地初試合。全面液晶のスコアボードにはイラストなど様々な映像が流れる。一、三塁側のファールゾーンには新たにエキサイティングシートが設けられた。

開場から30余年、輝いていた球場は古ぼけてしまった。

 横浜スタジアム。言わずと知れたDeNAベイスターズの本拠地球場。過去にはいろいろあったが、神奈川で育ち野球をやっていて、さらにベイスターズ贔屓の人間にとっては聖地みたいなものである。子供の頃に初めて見た、関内駅から出た瞬間に見える煌々と照らしだすYの字の照明塔と、近づくごとに大きくなる球場の歓声の高揚感。あの公園前の交差点の信号で待たされ、焦らされるのがまたいい。直前でお預けを喰らい、青と同時に駆け出したくなる衝動に駆られるあの気持ちは、30年以上経った今もまったく変わらない。

 そう。あの頃と何も変わっていなかったのだ。考えてみれば球場の方も昨年まで子供の時に見たスタジアムの姿とほとんど変わっていなかった。

 1978年に開場して以来、ハマスタは人工芝の張り替えぐらいのマイナーチェンジはあっても大幅な改修工事はされてこなかった。一番大きいものでは、2005年石橋貴明EA(エグゼクティブ・アドバイザー)の忘れ形見ともいうべき内野席のネットが取り払われた工事ぐらいか。開場当時は「最もホームランが出にくい球場」だった最新鋭の球場も、今となっては12球団の本拠地で最も狭い打者有利型球場になってしまったことをはじめ、球場にまつわるありとあらゆるものが色々と前時代的なものになってきてしまっていた。

球場側とDeNAの二人三脚で抜本的な改革に乗り出した。

 特に旧横浜ベイスターズが球団売却でゴタゴタしている際の球場と球団の確執。あれにより横浜スタジアムの評判は最悪と呼ばれるまで地に落ちた。あの時分、球団側は「改善しなければ契約しない」と言い張り、球場側は「ベイスターズに出て行って貰っても構わない」と報道されるなど、どちらも引かない泥沼の対立関係に陥ってしまっていたのだが、親会社がDeNAに変わったタイミングで、球場使用料の引き下げ等、新たな条件で7年という長期契約が結ばれることで手打ちとなった。

 揉めに揉めた関係は、球団が「横浜スタジアムに腰を据える」という表明でもある長期契約を以てひとまず落ち着いた。だが球団も球場側も目指す方向は元々同じ。雨降って地固まるとなったかどうかは知らないが、とにもかくにもベイスターズとハマスタはこれまで以上に地域を媒介とする密接な協力関係を結ぶことになり、新たな球場改革案を打ち出すことになった。

【次ページ】 プロジェクトの目標は「ハマスタをランドマークに」。

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