MLB選手の主要出身国のひとつが本気になったら!?

　野球界でMLBが世界最高峰リーグであることは誰も疑わないだろう。

　現在のMLBにおいては、選手の質、量ともに突出した存在の米国、ドミニカ、ベネズエラが世界の“ベスト3”を形成しているのは間違いない。そのうちの1つがWBCに真剣に取り組み、圧倒的な強さをみせて優勝してみせた。

　これまで過去2大会では日本が連覇してきたわけだが、MLBに携わる関係者、または選手の多くが表面上は日本を称えながらも、“それほど真剣にWBCに取り組んでいない”とか“日本のようにしっかり準備していない”というのを多少なりとも言い訳にしながら、深層部分では決して日本の勝利を素直に受け入れていなかったように思う。

　だが今回のドミニカの勝利は、そんな彼らの言い訳を根底から否定し、選手の気持ち次第でWBCがまったく別物の大会に様変わりすることを実証してしまった。

　このように他の代表チームが予期せぬかたちで、ドミニカはWBCに新しい風を吹き込んだ。

　今回は1次ラウンド敗退となったが、ドミニカ同様に野球に対して特別な思いを抱くベネズエラを含め、この風がどのように他チームに伝播し4年後を迎えるのか、現時点ではまったく想像がつかない。まだまだ問題山積のWBCながらも、今後に向け一筋の光明が射したような気がしている。