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長友、内田らに続くサイドバックは誰?
今季のJリーグで観ておくべき選手達。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byEnrico Calderoni/AFLO SPORT
posted2013/01/31 10:31
欧州の主要メディアや有名クラブの監督から「世界最高の左サイドバックのひとり」とまで称されるようになった長友。アシュリー・コール、ファビオ・コエントラン、ジョルディ・アルバらと比べられる存在だ。
サイドバックは日本人選手に有利なポジション?
今やサイドバックは、(チームの戦い方によっては異なるが)従来の守備だけではなく、サイドで起点となって攻撃の組み立てを要求されるなど求められるものが増加しており、他のポジションよりもプレーが複雑になってきている。単純に体格や運動能力だけではなく、監督の細かい要求に応えられる適応力と戦術理解度、攻守のセンスを含めたオールマイティーさが重視されているのだ。そして、そうしたものは本来、日本人の選手が持っている特質でもある。
長谷部や細貝萌らが本来のポジションではなく、様々なポジションや役割を与えられてもそつなくプレーできるのは、その能力が長けているからだ。
しかも、インテルで活躍する長友佑都らは、そうした能力に加えて世界に通用する自分の強みを持っている。長友はスピードに乗った突破とリミットレスのスタミナを持ち、内田篤人にはサイドで起点となってゲームを組み立てる構成力がある。
「一番能力の高い選手がやるポジションになるかもしれません」
最新のサッカー戦術におけるサイドバックは、勝敗の趨勢を決めるほど重要なポジションにもなってきている。ザッケローニ監督も「攻撃はサイドから」を徹底しているし、MFとサイドバックの連携を重視している。そのため、右サイドは対戦相手やMFの選手との相性によって構成力タイプの内田と突破タイプの酒井宏樹を使い分けているほどだ。
実際、このようなトレンドの影響を受け、日本の指導者たちや子供たちの考えも変わってきている。全日本少年サッカー大会に出場するクラブでも最近は、サイドバックをやりたがる子供が増えたという。
昨年12月、Jユースカップで優勝したコンサドーレ札幌U-18の四方田修平監督は「今のサイドバックは地味で一番きつく、攻守にあらゆる能力が求められる。これから一番能力の高い選手がやるポジションになるかもしれません」と言っていた。若年層の指導者たちも、これからは優秀なサイドバックを中盤にコンバートせず、そのままサイドバックとして起用したり、あるいは攻撃センスのある選手を逆にサイドバックに起用するパターンを増やしていくのではないか。