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渋いメンバーと小粒の大会。
~WBC各国代表の陣容に思う~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2013/01/28 10:30

渋いメンバーと小粒の大会。~WBC各国代表の陣容に思う~<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

世界一の野球大会であることは間違いないのだが……(写真は前回のアメリカ代表)。

 日本人メジャーリーガーはひとりも出ない。韓国人メジャーリーガーも皆無。

 いうまでもないが、第3回WBCの出場メンバーの話だ。

 最初にこの報道を聞いたときは、MLBの陰謀かと思った。まあその、陰謀というのはちょっと大げさだが、「ひっかけられたかな」という疑いが胸に兆したことは否定できない。

 それというのも、先の2大会でスター級の大リーガーをそろえたアメリカやドミニカ共和国があまりにもだらしなかったからだ。精彩を放ったのは日韓両国ばかり。2009年の第2回大会などはこの両国が5度も対戦したのだから、いくら好試合が続こうと、さすがにげっぷが出る。日本人観客の私がそう思ったのだから、ただでさえトーナメント方式に馴染みの薄いアメリカ市民が燃えなかったのは、当然の帰結といってよいだろう。

 となると、主催するMLB側としては、なんとかアメリカに戴冠させたい。よしんばその野望がかなわなくとも、大リーガーをそろえたドミニカやヴェネズエラに優勝杯を授与したい。さすがは大リーガー、調整不十分でも世界を制することはできるのだ、というイメージを世界に植え付けたい。

 という思惑があれば、日韓両国の戦力弱体化を狙うのはべつに不思議ではない。また盛り上がらない大会になりそうです、などと俯いておいて、日韓が油断した隙に自国の戦力を強化するのではないか。私は、つかの間、そんな疑念を抱いたのだ。

メジャー選手を揃えたドミニカだがベスト4も危うい!?

 だが、これはどうやら思い過ごしだったらしい。

 暫定メンバー(1月25日時点)を見るかぎり、日韓の戦力が落ちたのは明らかだが、アメリカやドミニカの戦力も大して上がっていないからだ。

 たとえば、ドミニカ。

 ロビンソン・カノー(ヤンキース)、エイドリアン・ベルトレ(レンジャーズ)、ホゼ・レイエス(ブルージェイズ)という内野陣はけっこう豪華なのだが、短期決戦に不可欠な(しかも例によって、投球数がきびしく制限されている)投手陣がぱっとしない。ワンディ・ロドリゲス(パイレーツ)、フェルナンド・ロドニー(レイズ)、アレクシー・オガンド(レンジャーズ)といった顔ぶれが中心では、下手をすると準決勝進出も逃しかねないのではないか。

【次ページ】 ドリームチームと呼ぶにはほど遠いアメリカの陣容。

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