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<お笑い芸人は、なぜ体を鍛えるのか?> 庄司智春 「目指すは60歳になっても筋肉芸人」
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/01/24 06:01
テレビで筋肉自慢をする芸人は何を思い、どう鍛えているのか。
好評発売中の雑誌Number Do『体が変われば人生が変わる!?』では、
庄司智春、ワッキー、団長安田の3人の本音に肉薄。
このたび、Number Webで3回に分けて公開します!
“遊びは芸の肥やし”と嘯きながら、夜の街に繰り出し、深夜まで痛飲する。ひと昔前の芸人はそんなイメージだった。ところが今では「筋肉芸人」とネーミングされるほどに、自らの体を誇示する芸人が増えている。笑いを生業とする彼らが、なぜこぞって体を鍛えるのか。何を目指しているのか。そもそも体づくりは笑いに役立つのか。そんな疑問を胸に彼らを直撃した。
野球部で鍛えた大きい体に感じていたコンプレックス。
「確かに僕がお笑いを始めたときは芸人=華奢とか不健康なイメージが主流でしたね。叩かれて痛がる、そんな弱々しい姿に笑いが起こる、みたいな感じ。でも僕は高校まで野球をやっていたせいで、体が大きかった。この体は芸人としてマッチしてないな、って最初は結構コンプレックスだったんですよ」
筋肉芸人の代表といえる庄司智春を訪ねると意外にもそんな答えが返ってきた。
しかし庄司の悩みとは裏腹に、徐々にその体格は注目を集めていく。相方の品川祐やロンドンブーツの田村淳らが、庄司の筋肉をいじりはじめたのだ。
「これがキャラクターになるんだ、って感じて、改めてトレーニングをはじめました。でも、たまに本気で思うんですよ。“何しているんだよ、俺はなんなんだよ”って。みんなが映画を見て新しい話題を手に入れたり、誰かと話して話術を磨いたりしてるときに僕だけ走ったり、筋トレしてるわけでしょ? 先々を考えたら、もうちょっと他に磨かなきゃいけないことがあるんじゃないかと(笑)。だから走るときに落語を聞いたり、色々工夫しながら鍛えてます。体つきが中途半端だと“たいしたことねえじゃん”とか、最近はツイッターで直にコメントが来るんで。意外とこれがストレスなんですよ……」
「体脂肪率6%になったら……もてましたね(笑)」
TV番組「スポーツマンNo.1決定戦」への出演が決まったときには、瞬発力を上げるために1カ月に10kg以上ウエイトを絞り、体脂肪6%を記録。そのときの体型が今でも理想の体だという。自分を鼓舞するため、自宅の鏡にはそのときの写真が今も貼ってある。
「合コンで筋肉を披露しても、むっちりしてたときは食いつきがあまりよくなかった。でも6%になったら全然反応が違いましたね。え、もてたか? ……もてましたね(笑)。でも普通の生活が大変になるんです。維持するために食事を控えて、トレーニングして、仕事もする。結果、体調壊すんですよ……」