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<お笑い芸人は、なぜ体を鍛えるのか?> 庄司智春 「目指すは60歳になっても筋肉芸人」
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/01/24 06:01
「息子の友達を4人腕にぶら下げられる体」を目指して。
今は大きな筋肉がついた体を目指して、徐々に体を作り直す作業に入っている。
「とはいえ、僕ヘルニアで。この間首も痛めたし、意外とボロボロなんです。だから今はアメリカの軍人が使っているTRXというドアにひっかけるだけで、どこでもトレーニングできる器具で体幹を鍛えています。僕は絞るときに、毎日正面と左右の写真を撮って、何を食べたか、体重はいくつだったか、そのときの心理状態も全部日記にしてるんです。そうすると効果が目に見えてわかる」
その先に何を目指しているのか、と尋ねると即座に「子供が小学生になったときに、息子の友達を4人腕にぶら下げられる体です!」と即答。そこには笑いも芸人としての矜持もなかった。それを指摘すると、「そうですね(笑)」といい、しばらく考え込んでしまった。
ふわふわとしながら筋肉芸人として長生きしたい。
「僕、体で笑いをとるというよりも脱いで笑いをとる“脱ぎたがりタイプ”なんですよ。筋肉全体は見せないように衣装を着て、ごまかしごまかしやっている。そうやって10年やってきたんで、ハードルを上げず、このままのポジションでまた10年を過ごせればいいかな。あまり頑張りすぎるとワッキーさんみたいにサハラマラソンに挑戦しなきゃいけなくなっちゃうし、無理をしすぎると60歳までやっていけなくなっちゃうから。ふわふわとしながら筋肉芸人として長生きしたいかな」
そんな庄司智春が「本物のアスリート」と呼ぶのがワッキーだ。11月に250kmを7日間かけて走るサハラ砂漠マラソンを完走。サッカー芸人に加え、マラソン芸人の称号も手に入れた。
筋肉芸人も戦国時代に入った今、どんな芸人を目指していくのか――。
大いなる“野望”を明かします。