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「結局、選手の意識の問題でしょ」
負の連鎖でJ2に沈んだガンバを検証。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2012/12/03 11:45
残留に前向きなコメントを出している遠藤、加地。共に「1年でJ1に戻ってくる」と力強く語った。今野、家長らは来季に向けて微妙な立場をとっている。
新監督選び、主力選手の契約など不安材料は尽きない。
さて、来季はJ2がステージになる。
ガンバの戦力があれば、J2でも優勝できるだろうと思いがちだが、事はそれほど簡単ではない。
最大の懸念は、チーム編成だ。
まず、監督をどうするのか。日本人、外国人に関係なく、ガンバのスタイルを継承し、過渡期にあるチームを進化させる指導力と将来のヴィジョンを描ける指揮官が必要とされる。今シーズンは、ここで大きく躓いただけに、同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。
選手編成も見直しが求められるだろう。
選手年俸の総額が推定20億円とJ1でもトップクラスのガンバだが、J2となれば当然、予算は削減される。高額年俸の外国人選手を始め、遠藤や今野を維持できるのか。今シーズンで契約が切れる明神と加地、さらに期限付きの移籍の家長、岩下敬輔の処遇をどうするのか。
進む主力レギュラー陣の高齢化と若手の伸び悩み。
また、遠藤を始め、明神、加地、二川孝広、藤ヶ谷陽介、佐々木勇人は30歳を越え、今野も来年は30歳になるなど、ガンバはレギュラー陣の高齢化が進んでいる。だが、若手に切り替えようにも倉田秋と藤春廣輝以外に目立った選手が見つからない。
その倉田にはセレッソから完全移籍のオファーが届いているという。来季は、ユースからの昇格組もない。GK、サイドバック、センターバックの補強を含め、長丁場のJ2を戦い、J1昇格後のチームを視野に入れた戦力を保持することができるのか、課題は山積だ。
さらにJ2でのサッカーの質に苦しむ可能性も十分ある。
今シーズンもガンバはパスを繋いでくるチームには勝てたが、守備のブロックを作ってカウンターを狙うチームには、苦戦を強いられた。J2の各チームも当然、それは考えてくるだろう。