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旗振り役不在でも悲観しなくて良い!?
石原都知事辞任、五輪招致への影響。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2012/11/03 08:01

旗振り役不在でも悲観しなくて良い!?石原都知事辞任、五輪招致への影響。<Number Web> photograph by AFLO

今年5月、IOCにより、東京が20年の最終候補地に選定され会見に臨む石原氏。2016年ではリオデジャネイロに敗れたため、8年越しの悲願とされていた。

国際的にも話題となっていた石原氏の発言。

 2016年の招致において、リオデジャネイロに敗れた際、「目に見えない政治的な動きがある」と石原氏が言ったことに対し、リオデジャネイロの招致委員会が「侮辱だ」と抗議したことが思い出される。

 それにとどまらず、韓国などへの政治的な発言、最近では尖閣諸島の問題を巡る行動や言葉から、石原氏はしばしば国際社会で批判を浴びてきた。結果として、中国に3名、韓国に2名、北朝鮮1名、香港1名……20票余りのアジアのIOC委員たちの票を固められないのでは、という懸念があった(なお現在、日本のIOC委員は1名だが開催都市のある国の委員は投票権はない)。また中国は、経済支援を行なっていることで、現在13名のIOC委員がいるアフリカ諸国への影響力も強い。北京五輪招致においてもアフリカ諸国の票は大きかったと言われる。

 さらに、40名を超え、もっとも人数の多いヨーロッパ各国のIOC委員たちの抱く印象というものもある。

次の都知事は、果たしてどのような五輪招致活動をするのか?

 ロンドン五輪では、アフリカ移民に対する差別的な文章をツイッターに書いたギリシャの女子三段跳の選手をはじめ、複数の選手が差別的言動で追放された。そうした問題へのIOCの視線は厳しい。

 石原氏は、これまで、外国人への蔑称とでも言うべき呼称を使ったりすることなどで海外での反発を招いてきた。2005年には国連人権委員会で問題視されたし、欧米のメディアで厳しく論評されることがあった。今年10月には、イギリスの政治経済誌『エコノミスト』の記事で「rogue of the Japanese right」と評されている。rogueとは、悪党、ならず者という意味である。こういった報道は、票を投じるIOC委員にとって、よい印象は与えない。

 そう考えれば、辞任したことは五輪招致活動決してマイナスであるとは言えない。

 次の都知事の五輪招致に対する考え方によっては、軌道修正を迫られることもあり得るが、招致の方針が継承されるという前提に立って考えれば、悲観的に捉えることはないのが、今回の辞任劇である。

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