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「1-4」でのブラジル戦敗北は布石!?
フットサルW杯初戦、我慢の日本代表。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byREUTERS/AFLO
posted2012/11/02 11:50
スペイン人のミゲル・ロドリゴ 監督が、前半のタイムアウトで選手たちへ作戦を説明する。前半を1失点で折り返すまでは順調だったのだが……。
悔恨と決意の入り混じる敗戦だった。
フットサルW杯が11月1日に開幕し、大会初日に登場した日本はブラジルに1-4で屈した。
ゲームの行方が大きく動いたのは、後半開始直後だった。前半を最少失点で乗り切りながら、あっという間に0-3となる。
「なぜあのようになってしまったのか、説明のしようがない。我々は眠ったままの状態で、2分間を過ごした」
試合後のミゲル・ロドリゴ監督は、そう言って眉を上げた。24分にも失点を喫し、0-4まで点差はひろがっていく。
3-3で引き分けた1週間前の親善試合の時と比べて、ブラジルはコンディションを上げている。球際の激しさといったディテールへのこだわりも、東京での対戦とは明らかに違っていた。
残り16分で4点を返すのは、実質的に不可能と言っていい。勝敗の行方は、決してしまった。
しかし、日本の目標はブラジル撃破ではなくグループステージ突破だ。ここからの時間を、なおざりにはできない。
失点が多いと得失点差でリビアに劣り、決勝Tへ進出できない!
この試合に先駆けた同じグループのポルトガル対リビア戦は、5-1でポルトガルが勝利した。グループCでの3位突破を目指す日本は、これ以上失点を重ねると勝点ゼロで終わるだけでなく得失点差でリビアに劣ることにもなりかねない。
得失点差による順位決定も視野に入れれば、少しでもマイナスを減らしておきたい。だが、「向こうはカウンターが速かった」と村上哲哉が話したように、前がかりになるリスクは大きい。残り時間の戦い方が、難しくなっていた。
3分後の27分、逸見勝利ラファエルの仕掛けが相手守備陣のバランスを崩し、辛抱強いボールタッチから稲葉洸太郎がゴールを決める。
試合中にも頻繁に指示を出すロドリゴ監督が、この時点で選手たちにこう告げた。残り13分の戦い方が明示されたのだ。
「今日は日本にとってあまりいい日ではない。ここから先はポゼッション率をあげて、点をとられないようにしよう。我慢の試合だ」