MLB東奔西走BACK NUMBER
実はもう今季終了といえる松井秀喜。
来季に向けメジャー復帰の可能性は?
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byGetty Images
posted2012/08/17 10:30
アメリカで2度目の浪人生活となった松井秀喜。現在38歳、プロ野球選手として20年目の節目に大きな岐路に立たされている。現在、メジャー以外に日本球界への復帰も視野にいれている様子。
レイズ残留ならまだ残されていたメジャー復帰の可能性。
そんな松井と時を同じくして、戦力外通告された2人のベテラン選手がいた。
ジョニー・デーモン選手とボビー・アブレイユ選手だ。デーモンは松井同様チームからの解雇を選択する一方で、アブレイユはドジャースに残りマイナー行きを選んでいる。
アブレイユの移籍報道で明らかになったことなのだが、戦力外通告からマイナー行きを受け入れても、その後、再びメジャーに昇格できる可能性も十分あるし、さらに昇格が9月1日以前ならプレーオフの出場資格も得られるというのだ。
レイズの番記者の1人は松井もアブレイユと同じ状況だったと説明してくれた上で、以下のように話してくれた。
「あくまで個人的見解だが、結局、松井が去った後もレイズの打撃陣の状態は決して万全とはいえない。マイナーに回った松井がメジャー再昇格できる可能性はゼロではなかっただろう。もちろん松井の打撃が復調したならば、というのが前置きにあるのだが」
松井本人の意思と代理人の思惑は、どこまで一致していたのか?
今振り返ってみると、昨シーズン終了後にアスレチックスからの契約提示を断りFAになったことで、結局キャンプ前に所属先がみつからずに現在に至っている。
これは、残念ながら代理人の“判断ミス”だったと言わざるを得ない。
そして今回、レイズに残留しなかったことも、どこまで本人の意思が反映されていたかは不明だが(国内復帰ではなく、あくまでもメジャー復帰を前提とするならばだが)、やはり代理人の“判断ミス”だったのではないのだろうか。
たとえメジャー再昇格できなくても、レイズに残留すればマイナーで1カ月間フル出場する機会が与えられていたのだから。
今シーズンの実戦経験不足を補えるばかりか、打撃復調のきっかけを掴めば、来シーズンの契約交渉にも大きなプラス材料になったはずだ。もちろんその一方で、最後まで打撃不振が続き、さらに松井の商品価値を落とす可能性があったことも否定はできないが。