なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
なでしこ、フランスを破り初の決勝へ。
聖地を包んだ「ニッポン!」コール。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byNoriko Hayakusa/JMPA
posted2012/08/07 11:45
息つく暇もないほどのフランスの猛攻に耐えきったなでしこ守備陣。なかでも、GK福元は再三にわたるファインセーブで日本の勝利に貢献した。
積極的なフランスに対し、なでしこは防戦一方に
この後はフランスの猛攻が続いた。後半9分、デリのシュートをGK福元がナイスセーブ。後半11分にはMFスベイランに代えてカミーユ・アビリ、同13分にはFWティネに代えてルソメルを入れ、攻撃を強化する。
フランスはシュートを打とうという意識がさらに強くなり、角度や距離は関係なく積極的に狙うようになっていった。
次第に防戦一方になり、DFラインが下がってしまった日本は、後半29分、大野に代えてFW安藤梢を投入して前線からの守備を活性化させようとするが、フランスの勢いは簡単には止まらない。
後半31分、フランスは右サイドのトミスのマイナスの折り返しをルソメルが右足で決め、1点を返した。日本は守備が完全に崩されての失点だった。
1点差に詰め寄ったフランスは攻撃の手をさらに強める。後半33分、ルソメルがドリブルで仕掛けたのに対し、ペナルティーエリア内でカバーに入った阪口がルソメルを倒してPKを献上。日本はピンチを迎えた。
試合終盤、スタンドから沸き起こった「ニッポン!」のコール。
ところがここで日本に追い風が吹いた。キャプテンのブサグリアのPKはゴール右外に外れるまさかの失敗。日本はミスに助けられて1点リードを保った。
後半39分には阪口に代えて田中明日菜を入れたが、その後もフランスの波状攻撃の前に防戦状態が続く。
すると、スタンドからは「ニッポン!」のコール。その声はどんどん大きくなっていき、イギリス人も含めた多くの観衆が日本を応援した。
日本はアディショナルタイムの4分間も耐えに耐えて2-1で試合終了。フランスのシュートは27本、枠内シュートも11本を数えたのに対して、日本はシュートわずか4本で枠内は3本。猛攻をしのいでセットプレーからの2点で決勝進出を決めるという、効率の良さ、何より勝負強さが光る試合だった。