プレミアリーグの時間BACK NUMBER
プレミアでも典型的CFは絶滅危惧種!?
キャロルらターゲットマンの生きる道。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2012/08/02 10:30
191cmの恵まれた体格を持ち、エリア内では無敵の強さを誇るキャロル。しかし、本格派ストライカーとしてその存在価値を証明するためには、更なる得点が必要になる。
貴重な純血CFであるキャロルは一芸に磨きをかけるべき。
トップ下やサイドの位置に回り、小気味良いビルドアップに絡む足捌きを持たない、言わば古風なCF。英語にも「剣に生きる者は剣に死す」という諺があるが、彼らは、前線のターゲットとしての一芸を磨き続けるしかない。今夏のEUROで、キャロルが、完璧なヘディングを叩き込んだ得点シーンは、イングランドにとっての数少ないハイライトだった。貴重な純血のCFには、来る2012-13シーズンにも、フィジカルで相手DFを怯えさせ、空中戦で圧倒的な強さを見せつけてもらいたい。
そのためには、噂の移籍先で、CFの頭にクロスという戦法を堂々と採用する監督が率いるウェストハム(サム・アラダイス)、ニューカッスル(アラン・パーデュー)、フルアム(マルティン・ヨル)のような「CF保護区」で、レギュラーの座を手にする必要があるだろう。前回移籍から日が浅い当人は不本意かもしれない。だが、ここはひとつ、リバプール移籍が失敗と言われる悔しさを黙って飲み込み、CFが絶滅を免れるに値する「種」であることを誇示してほしいものだ。