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五輪を巡るコーラ飲料2社の広告戦略。
競合は敵であるが味方でもある理由。
text by
葛山智子Tomoko Katsurayama
photograph byGetty Images
posted2012/07/03 10:30
2007年、コカ・コーラが主催する北京五輪の関連イベントに出席した中国を代表するアスリート。左からバスケットボールのヤオ・ミン、バレーボールのチョウ・ヌイヌイ、卓球のワン・リキン、水泳のグォ・ジンジン。
競合は同じ舟に乗る企業同士でもある。
リスペクトがあっての公平な競争なので、チャレンジャーのペプシであっても「向こうの飲み物は健康に悪いものが入っている」などということは言わない。それを言った時点で、コーラ飲料市場自体が縮小するので、どちらにとっても得策ではなかろう。
競合は公平な競争環境の中で、互いに刺激し合う存在なのである。正々堂々と競争する相手であり、そして同じ船に乗っている企業同士でもあるのだ。
読者も一度、自社の戦略に、競合をどうインクルージョンしていくのかを考えてほしい。
今回のポイント
◆自社の活動に大いなる刺激を与えてくれる真の競合を特定する
◆自社の競合と競争するポイント、競争しないポイントを見極める
◆競合との競争から生まれる波及効果に注目する
◆波及効果を最大化するために、自社として「しないこと」を明らかにする