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“闘う”写真家が、山に向かったわけ。
~『山をはしる 1200日間山伏の旅』~
text by
井賀孝Takashi Iga
photograph bySports Graphic Number
posted2012/05/20 08:01
『山をはしる 1200日間山伏の旅』 井賀孝著 亜紀書房 2500円+税
ほんの少しだけ残されている未知との遭遇の記録。
山があったから神仏混淆の修験道が生まれた。山があったからそこに入り、歩き、鍛え、祈り、己を見つめる者、山伏が生まれた。砂漠の民は山に入りようもない。振り返ればそこに山がある。そんな環境で育った俺にとって日本を撮ることとはまさに山を撮ることだった。
今なおこの国に山伏は存在するのか。いたとして普段どんな暮らしをしているのか。彼らが実践する修験道、山の教えとは。俺は修行して変わったのか、天狗となったのか。
あらゆる情報が行き交い世界が狭くなったいま、まだほんの少しだけ残されている未知との遭遇の記録です。それは時空を超えた1300年前からの旅でもあります。山に入ると、ハラハラドキドキ心がうずきます。心が動くのです。
「山をはしる」良いタイトルやな。うまく書けたかな? にしても自分で自分の本の書評書けなんて酷なことさせよんな。