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見えてきたバルサとレアルの敗因。
欧州CLを去った両雄のシビアな現状。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byMarcaMedia/AFLO

posted2012/05/09 10:31

見えてきたバルサとレアルの敗因。欧州CLを去った両雄のシビアな現状。<Number Web> photograph by MarcaMedia/AFLO

4月21日にあったクラシコ(1-2でレアルが勝利)におけるグアルディオラとモウリーニョ。対戦する時はいつも試合前にグアルディオラからモウリーニョの方へ握手をしにいっていた。

 大本命と見られていたスペインの両雄が揃って姿を消した今季のCL準決勝。あれから2週間、既に試合中に生じた様々な出来事については多くの分析がなされてきた。

 そこで今回は、この4試合で見えた今季の両チームに潜んでいた問題点を分析した上で、来季へ向けた更なる進化のヒントを探ってみたい。

メッシのゴールラッシュに隠された、複数得点源の欠如という問題。

 それを不運と呼ぶか決定力不足と呼ぶかは個々の見方に任せるが、バルサの直接の敗因はメッシのPK失敗をはじめ手にしたチャンスを逃し続けた点に集約される。

 ただ、それは今季を通じてチームに潜んできた問題点が明るみに出た結果でもあった。その問題点とは、メッシ以外の得点源の欠如である。

 今季のバルサにはシーズンを通してコンスタントにゴールを決めるアタッカーが最後まで現れなかった。それはグアルディオラ就任後の4年間のチーム内得点ランキングを見れば一目瞭然だ。

 1年目はエトーが36点、アンリが26点。2年目はイブラヒモビッチが21点、ペドロが19点を挙げ、終盤に出番を増やしたボージャンも11点を決めた。そして昨季はビジャが23点、ペドロが22点。それが今季は公式戦3試合を残した現在、2位がセスクの15点、3位がアレクシスの13点にとどまっている。

メッシ以外のFWが得点していないのにリーグ最多得点記録を更新!?

 原因は多々ある。ビジャは12月から戦列を離れ、ペドロもケガがちで出場機会が激減。シーズン前半は2人の役割を補って余りある活躍を見せていたセスクも後半戦は調子を落とし、リーガでは1月8日のエスパニョール戦、他の大会を含めても2月8日のコパ・デル・レイ準決勝バレンシア戦を最後にゴールから遠ざかっている。

 セスクに次ぐ13ゴールを挙げているアレクシスは昨年12月のクラシコやCLレバークーゼン戦など重要な試合で貴重なゴールを決めてきたが、やはりケガが多くパフォーマンスに波があり、コンスタントな得点は期待できなかった。

 にもかかわらず、今季のバルサは2試合を残してクラブのリーグ最多得点記録を更新する108ゴールを積み重ねてきた。それはメッシがリーガで昨季C・ロナウドが樹立した記録を塗り替える46得点、シーズン通算ではゲルト・ミュラーのヨーロッパ記録を更新する68点という、驚異的な数のゴールを決め続けているからに他ならない(5月2日現在)。

【次ページ】 敗退の原因がメッシにないなら、今後のバルサの課題は?

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