ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
五輪男子サッカー組合せを徹底分析。
1次リーグ突破の鍵はモロッコ戦。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAP/AFLO
posted2012/04/25 11:45
ロンドンのウェンブリーで行われた抽選会に参加した関塚隆監督。「どこも強豪。しっかり今から準備できることをして、予選突破し、メダルに向かってやっていきたい」と1次リーグ突破からメダルまでを視野に入れたコメントを残した。
ロンドン五輪男子サッカーの組合せが決まり、日本はグループDで、スペイン、ホンジュラス、モロッコと同組になった。対戦日程は、初戦がスペイン、第2戦がモロッコ、第3戦がホンジュラスになる。
過去4大会の対戦相手と今回を比較して見ると、少なくともアテネ五輪(パラグアイ、イタリア、ガーナ)、北京五輪(アメリカ、ナイジェリア、オランダ)よりも恵まれている。毎試合、会場が異なるなど移動はハードだが、スペイン以外は、ほぼ横一線で1次リーグ突破は達成可能なミッションだ。
スペインの現五輪代表チームは、2011年U-21欧州選手権で優勝しており、2000年にシャビらを擁して銀メダルに輝いたシドニー五輪以上のチームとして国内ではもっぱらの評判である。バルセロナのMFチアゴ・アルカンタラ、マンチェスターUの正GKダビド・デヘアなど、タレント揃いだ。
優勝したU-21欧州選手権でも2010年南アフリカW杯で優勝したA代表のDNAを受け継ぎ、全体でボールを動かす、非常に質の高いサッカーを展開していた。準決勝のベラルーシ戦では、89分に追い付き、延長戦で2点取って勝つという勝負強さも兼ね備えている。ここにOA(オーバーエイジ)の選手が入ることになると、驚異の最強チームが完成する。まさに断トツの優勝候補だ。
モロッコはアフリカというより、欧州サッカーの流れを受ける。
モロッコは、大宮や京都を指揮していたピム・ファーベークが監督だが、北アフリカのチームは、中央アフリカなどに見られるパワー&スピードのサッカーではなく、欧州のような組織的サッカーを展開している。日韓W杯では同じタイプのチュニジアを破っており、日本にとっては比較的くみしやすい相手だ。
ホンジュラスは、過去にアメリカを破るなど勢いを見せた時代もあったがプレーに波がある。高い身体能力を活かしたサッカーだが、それに慣れてしまえばさほど恐い相手ではない。