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<2012日本女子プロゴルフツアー展望> 「女王の座を賭けた世界最高峰の戦いが始まる」
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byAFLO/KYODO
posted2012/03/08 05:59
小林浩美会長は「世界に通じる団体を目指す」。
笠は有村と同じ熊本の出身で、ともに24歳、プロテストも同期。有村がトップ合格で、笠は3位だった。昨年8月のニトリレディスでは、その有村らと競り合って初優勝。賞金ランキングも10位に入ってトップゴルファーの仲間入りを果たした。笠の強みはリカバリー率(パーオンできなくてもパーかそれよりよいスコアで上がる確率)が高いこと。昨年は65.2%で全体の5位だった。若いがピンチに強いゴルフでツアーを面白くする。
金田はジュニア時代のアマ実績と、派手なネイルアートで注目されてきたが、昨年4月、フジサンケイレディスで初優勝して才能を証明した。飛距離もアプローチの正確性も、賞金女王を争うにはまだ足りないが現在22歳。昨年は優勝を含めてトップ10入りは5回、この選手が上位に絡む回数が増えれば、同年代の新たなファン層が開拓されていくはずだ。
そして左ひじの手術から復活した'06年の賞金女王・大山志保。「パットの感覚がまだまだ」としながらも昨年10月、マスターズGCレディースでポーラ・クリーマーとのプレーオフを制して3年ぶりの優勝を果たした。この人の復活で、ツアーのレベルが上がる。
「世界に通じる団体を目指す」と小林浩美会長。それを証明するシーズンになりそうだ。