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圧倒的世界一の柔道家・中村美里。
原動力は北京五輪の銅メダル。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShino Seki

posted2010/04/13 10:30

圧倒的世界一の柔道家・中村美里。原動力は北京五輪の銅メダル。<Number Web> photograph by Shino Seki

世界ランキング1960ポイントは、2位カラスコサ(スペイン)の798ポイントを大きく引き離しての1位。北京五輪後、上半身はシャツがSSからSにサイズアップした

五輪での敗北は、五輪でしか取り返せない。

 そんな向上心の原動力になっているのは、柔道家としてもっと成長したいという思いと、北京五輪で銅メダルに終わった悔しさだ。昨年の世界選手権後にインタビューしたが、そのときの言葉が象徴的だ。

「世界選手権で勝ったといっても解消できない。オリンピックで負けたのだから、オリンピックでしか返せないと思います」

 そのためにもっと強くならなければならないという思いが支えているのだ。

 今、中村は自身の柔道への手ごたえをこう語る。

「昨年のグランドスラム東京あたりから、自分の勝ちパターンが分かってきました」

 一方で、課題もあげた。

「まだ組み手が遅いので、そのへんを練習したいです」

 今年9月には、連覇のかかる世界選手権が東京で行なわれる。それについて尋ねられた中村はこう答えた。

「いや、その前にも国際大会に出るので、まずはそこからです」

 浮ついたところのない20歳の柔道家はどこまで強くなるのだろうか。

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