ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
香川の俊足がバイエルンを捉えた!
混戦を演出するドルトムントの快進撃。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byDaisuke Nakashima
posted2011/11/12 08:01
第12節のヴォルフスブルク戦にフル出場した香川は、1得点2アシストの大活躍
今季のブンデスリーガは、近年まれにみる白熱した戦いが繰り広げられるかもしれない。
12試合を終えて、上位5チームが勝ち点6の間にひしめいている。
1位 バイエルン 勝ち点28
2位 ドルトムント 勝ち点23
3位 ブレーメン 勝ち点23
4位 ボルシアMG 勝ち点23
5位 シャルケ 勝ち点22
興味深いのは、首位のバイエルンの勢いに陰りが見え始めていることだ。
守備にほころびが生じている上、攻撃の要も負傷離脱。
一時は公式戦12試合連続無失点、リーグでも8試合連続無失点を記録したが、最近の公式戦5試合では5失点、リーグの最近5試合では3失点を喫している。開幕戦以来となる敗戦となったハノーファー戦では相手のミスがなければ、さらに失点を重ねていたはずだ。
第12節、最下位に沈み、得点数もリーグで最も少ないアウクスブルクとの試合では、細貝萌にゴールを許した上、GKノイアーのスーパーセーブがなければ引き分けに終わってもおかしくはなかった。この試合の4日前にホームで行なわれたCLナポリ戦でも、3点リードを奪ってから2点を返される苦しい展開。ナポリ戦とアウクスブルク戦、最近の2試合でセットプレーから3失点を喫している。盤石だった守備にも、ほころびが生じ始めている。
不安要素は守備だけではない。先のナポリ戦で、シュバインシュタイガーが右鎖骨を骨折。年内の復帰が絶望的になってしまった。彼は、1試合あたりのボールタッチが最も多い選手だ。チームの攻撃を司る選手を失った影響は決して小さくない。彼を欠いたナポリ戦の後半8分以降、攻撃の迫力には陰りが見えた。ハインケス監督も認めている。
「彼がいなくなってから、我々にとって彼がどれだけ重要な選手なのかがわかったはずだ」