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香川の俊足がバイエルンを捉えた!
混戦を演出するドルトムントの快進撃。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byDaisuke Nakashima
posted2011/11/12 08:01
第12節のヴォルフスブルク戦にフル出場した香川は、1得点2アシストの大活躍
ブレーメン、ボルシアMGも好調をキープする。
さらに、3位につけるブレーメンは11ゴール、4アシストと好調を維持しているFWピサロが攻撃を引っ張り、昨シーズンは怪我で1試合もプレー出来なかったセンターバックのナルドが復帰して、守備に強さをもたらしている。今季はヨーロッパカップ戦に出場しないため、リーグ戦に集中できるメリットがある。
4位には、アウェイで行なわれたバイエルンとの開幕ゲームに勝利したボルシアMGが控える。スイス人の戦術家ファブレ監督のもとで、堅守速攻をベースにしたサッカーで安定した戦いを続けている。とりわけ、将来のバイエルン行きも噂されるロイスが7ゴール、3アシストの大活躍。バイエルンのハインケス監督の言う通りに最終的に「リーグトップ3に入ってもおかしくない」ような戦いを見せている。
シャルケまでもが優勝争いに加わる大混戦を制すのは?
そして5位につけるのがシャルケだ。選手に対して恐怖すら植え付けていたマガト監督、選手を駒のように扱って不評だったラングニック監督を経て、選手の自主性を尊重するステフェンス監督がやってきたことで選手たちが伸び伸びとプレー出来るようになった。ドルトムントもバイエルンも敗れたハノーファーとのアウェイゲームでは2-2の引き分け。不運なオウンゴールがなければ白星をつかんでもおかしくはなかった。昨季CLでベスト4に到達したチームであり、持っている力を発揮できさえすれば、最後まで優勝争いに加われるだけの力は十分にある。
過去5シーズンで、優勝したのはドルトムント、バイエルン、ヴォルフスブルク、シュツットガルトの4チーム。この事実をとっても、ブンデスリーガがコンペティティブなリーグなのは明らかだが、今シーズンは過去5シーズンの集大成とも言えるような混戦が最後まで続いていきそうな気配が漂う。
国際Aマッチデーをはさんで行なわれる11月19日の第13節。首位バイエルンと2位ドルトムントの直接対決が楽しみだ。