ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
清武、原口、山村不在のU-22代表。
関塚監督は11月の2連戦をどう戦う?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/11/10 12:05
今回のメンバー発表では「いろいろな(戦術の)オプションを考えている」ことを強調した関塚隆監督。不動のキャプテンである山村が抜けた中盤には「東を1つ下げることもあるし、力をつけてきた丸山もやれる」としている
守備に軸足を置き、堅守速攻で戦うアウェイの戦法。
6月のアウェイのクウェート戦では、相手の攻撃の圧力に耐え切れず、ズルズルと引いてしまい、逆転負けを喰らった。
「アウェイで負けたクウェート戦のことは絶対に忘れてはならない」とGK権田修一は言ったが、最終予選で同じ轍を踏むわけにはいかない。だが、今回は一発勝負ではない。勝ちを狙いに行きつつ、勝ち点1を確実に奪う。そのためには、失点しないことが最優先になる。つまり、守備に軸足を置き、堅守速攻で戦うということだ。DFの数を増やしたのは、そういう戦い方に徹するという表れである。
システム的には、従来の4-2-3-1から4-1-2-3に変更する可能性もある。南アフリカワールドカップで、A代表が採用したアンカーを置くシステムだ。
相手の2トップに対して、常に3対2の状況を作って数的優位を保ち、カバーリングの意識を持ち、リスクを消す。ボランチには、扇原貴宏と山口蛍というセレッソコンビがおり、山本康裕と3人で中盤の底を形成するのも可能なので、オプションとして十分に考えられる。
万能型の大迫よりも、スピード重視で永井がFWの軸になる!?
守備重視とはいえ、勝つためには、やはりゴールが必要になる。
守備に人数を割くことを想定すると、FWは少ない人数でゴールが奪える能力がある選手に限定される。それゆえ、万能型の大迫勇也よりもスピードという特徴のある永井謙佑が軸になるだろう。
クウェート戦のアウェイでは、暑さのために動けず、何も出来なかった。あの時の悔しさを彼自身も決して忘れていない。味方が我慢して守備をする中、1本のパスで飛び出し、スピードで競り合って決めてくれれば、日本にも勝機は十分ある。
今回の21名は、表向きはアウェイのバーレーン戦とホームのシリア戦の2試合を戦うメンバーになっている。だが、仮にバーレーン戦を落とした場合、ホームのシリア戦は、絶対に勝たないといけない試合になる。その場合、サプライズの入れ替えが起こることも想定される。