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甲子園の幻影を振り切り、
生まれ変わった菊池雄星。
~西武の救世主となるか?~
text by
永谷脩Osamu Nagatani
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/09/04 08:00
8月18日の楽天戦で3勝目を挙げると、8月31日には地元・岩手県営野球場で凱旋登板。4失点でプロ初黒星も、2試合連続の完投で地元ファンに成長した姿を見せた
'01年、甲子園最速の158kmをマークした寺原隼人(オリックス)はこの夏、こんなことを話していた。「松坂(大輔)さんの記録を抜いてしまったことで球速にこだわりすぎて、成長が遅れたと思う」。この話を聞いて、'09年に左腕最速の154kmを叩き出した菊池雄星のことが思い出された。
メジャーを含めて、20球団のオファーが殺到した菊池が比較されたのは、あの江夏豊だった。周囲は、即戦力として二桁勝利は当たり前と考えていた。期待が高まれば高まるほど、本人は辛かったはずだ。体力不足は明らかだった上、当時は背筋を痛めていた。海外へのこだわりを見せたのも、実はメジャー30球団の統一リハビリ法の存在を知った時からだった。