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男子陸上100mに新ヒーロー誕生!
20歳の江里口匡史、世界への挑戦。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byTamon Matsuzono

posted2009/07/06 06:00

男子陸上100mに新ヒーロー誕生!20歳の江里口匡史、世界への挑戦。<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono

地道な筋力トレーニングで体幹を鍛えた結果の10秒07。

 昨年のシーズンが終わると、故障の反省もあって、冬場に地道に筋力トレーニングなどに精力的に取り組んだ。体幹が強くなり、体もひとまわり大きくなって臨んだ今年の日本選手権での成果が、10秒07であった。

 広島ビッグアーチのトラックが、反発力の強い「高速レーン」であること、風に恵まれたことも好記録の要因ではあるだろう。そうではあっても、予選から3本、好タイムを並べたことは十分評価されるべきだ。

 短距離といえば、昨年、北京五輪の男子4×100mリレーで、日本は(幸運もあったにせよ)銅メダルを獲得した。そのメンバーから、長年主軸として活躍した朝原宣治が引退で抜け、末續慎吾は休養に入り具体的な復帰プランは決まっていない。北京後、福島と高橋萌木子らの活躍で盛り上がりを見せてきた女子に比べ、やや手薄になりかけた感のあった男子に、新しい芽が台頭した意味は大きい。

ベルリン世界選手権の出場権を獲得し、ついに世界へ。

 日本選手権を終えて、すでに発表されていたマラソン、競歩の18名に続き、今夏にベルリンで行なわれる世界選手権の、トラックとフィールド種目の39名の世界選手権代表が決まった。女子の福島、高橋、男子では塚原、そして江里口も名を連ねた。

 若い日本のスプリンターたちが、どこまで食らいついていけるか。世界選手権はロンドンへ向けての第一歩となる。

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江里口匡史
高橋萌木子
福島千里

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