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プルシェンコの連覇を妨害した!?
米国人ジャッジ、疑惑のEメール。
~五輪でのロビー活動の真実~ 

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2010/02/25 08:00

プルシェンコの連覇を妨害した!?米国人ジャッジ、疑惑のEメール。~五輪でのロビー活動の真実~<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

冷戦はいつまで続くのか?

 インマンのメールは、北米メディアの煽りによって、おそらく本人がもともと意図していた以上の騒ぎとなり、打倒プルシェンコの空気を作り上げた。日本のマスコミだったら、一人の選手に対してここまであからさまに反感を煽るような報道は考えられない。

 私はロングマンにこう聞いた。

「北米のジャーナリストにとって、報道の公平性というのは大切ではないのかしら」

「私はジャーナリストではなく、コラムニストだ。コラムニストは自分の意見を売るのが仕事で、政治家と同じ。いわばロビーイストだ」

 ロングマンはそう言い切った。

 プルシェンコはこうした敵意が渦巻く北米メディアに囲まれながら、闘いに挑んだのである。正直にいうと、バンクーバー五輪開催前から、きっと何かあるだろうことを私は予想していた。

 だが1990年代初頭に、冷戦は終わったはずではなかったのか。

 このような国家対立感情やロビー活動なしで、フィギュアスケートの演技を純粋に楽しめる五輪はいつになったらやってくるのか。

 いよいよ明日、日本中が注目している女子のフリーが行われる。メダル候補は日本のほか、韓国、カナダなどの選手だ。だが国同士の面子をかけた争いではなく、個々の選手の素晴らしさを純粋に堪能できる戦いになってくれることを、心から願っている。

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