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“楽しむサッカーと衝突するサッカー”
バルサは欧州の王になるべきだ。 

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中嶋亨

中嶋亨Toru Nakajima

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2009/05/27 11:01

“楽しむサッカーと衝突するサッカー”バルサは欧州の王になるべきだ。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

メッシ、エトー、アンリが揃って攻撃陣は万全の構え。

 不安を抱えた最終ラインとは対照的に、何とかベストの布陣を組めそうな攻撃陣において、やはり最大の注目と期待を背負うのはメッシだろう。

 彼にとって事実上初めてのCL決勝戦(05~06の決勝戦には負傷で出場できず)となるマンチェスター・ユナイテッド戦を前に、バルサの切り札はこう語っている。

「この試合は僕にとって唯一無二の試合となるだろう。たとえ、またCL決勝戦を戦う幸運に恵まれたとしても、ローマでの試合はいつまでも特別であり続ける。何故なら、これは僕にとって初めてのCL決勝戦であり、三冠をかけた偉大な決戦なのだから。
マンチェスターがどういうチームかは昨季の準決勝で戦ってわかっている。あの試合の敗戦はこれまでのキャリアの中でも特別な悔しさとして残っている。不用意にボールを奪われれば、彼らのカウンターによって大きなダメージを受けることになる。だから、試合開始から終了まで僕らは一瞬たりとも気を抜くことなんて出来ない。
ロッカールームの話題は全てが決勝戦について。僕らはこの決戦で全てを出し尽くし、絶対に優勝すると確信している」 (インタビュー:ラミーロ・マルティン)

 クライフ率いるドリームチームを擁して1991~92シーズンにロンドンでクラブ史上初となる欧州制覇を達成し、05~06シーズンにはロナウジーニョを軸に再び欧州王座に返り咲いたバルセロナ。今回は選手として91~92シーズンの優勝を経験しているグアルディオラ監督が「史上最強」とまで称されるチームを作り上げて戴冠にあと一歩というところまでやって来た。指揮官グアルディオラは「この試合で我々が勝てなければ、それは何かの間違いだ。マンチェスターはこの舞台で戦う最高の相手。試合がどのような結果に終わるか、それは今のところ誰にもわからない。だが、私は私の選手達を信じているし、バルサが絶対に勝利すると信じている」と自信を示して見せた。

 そんなグアルディオラにかつての恩師クライフはこんな言葉を送っている。「誰にとってもCL決勝戦が特別なものであり、プレッシャーのかかる戦いになることは私もよく理解している。しかし、だからこそ、バルサはこの試合を楽しむべきだ。CL決勝戦という最高の舞台でプレーしていることを楽しめば、バルサは望むべき結果を手にできるはずだ」

勝利の方程式を異にする2チーム。どちらが欧州王者に相応しいか?

 スペインでは「Jugar o chocar al fútbol-楽しむサッカーと衝突するサッカー-」とも例えられるバルセロナとマンチェスター・ユナイテッドによる頂上決戦。

 サッカーを楽しむというのはボールを保持して攻撃を仕掛けるバルセロナのスタイルを示し、衝突するというのは強固な守備網を築いて相手の攻撃を潰しカウンターを仕掛けるマンチェスター・ユナイテッドを指している。いずれのスタイルもチャンピオンズリーグという世界最高レベルの大会を勝ち抜いてきたスタイルであり、勝利するために選び抜かれたスタイルだ。

 果たしてどちらが欧州王者に相応しいのか、それは27日、決戦の地ローマで明らかになる。

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