オリンピックへの道BACK NUMBER
ノルディック複合・日本代表の逆襲。
荻原健司以来の頂点を目指す!
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO
posted2010/01/30 08:00
世界選手権で優勝したとはいえ、圧倒的な実力差は無い。
とはいえ、バンクーバー五輪でリベレツの再現なるか、といえば、たやすいことではない。リベレツでの金メダルは、クロスカントリーで日本チームのワックスが大当たりし、伸びがずば抜けてよかったことも理由にあげられる。また、メダル候補だった強豪国の中に、ジャンプで大失敗したチームがあったのも幸いしたからだ。
今シーズン、ワールドカップの個人ランキングでは小林の25位が最高(1月28日現在)。総合力で団体を戦う今日の日本と、荻原らが個人戦でも席巻したかつてとは、異なる。バンクーバーは、紙一重の戦いとなるはずだ。
それでも選手たちは、メダルへの強い決意を決めている。
小林たちの想いだけではなく、競技全体の命運がかかる。
小林の冒頭の言葉にあるように、注目度の低下によってノルディック複合は、強化資金でも苦労が耐えない時期が続いた。
昨シーズン、リベレツの金メダルのあとでさえ、強化費の不安から海外合宿が困難になるのではないか、と不安を抱えていたほど。以前渡部が、「遠征費用などの面で、親にはほんとうに感謝しています」と言っていたのも印象的だ。
小林は言う。
「オリンピックで人生が変わるというくらいの覚悟で臨みたいと思っています。やるからには一番上を目指します。オリンピックも3度目なのでそろそろやらなきゃいけないです」
彼らの活躍が、競技の行く末をも、左右する。