詳説日本野球研究BACK NUMBER
日産自動車の休部によって、
社会人野球の良さが失われる。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph bySPORTS NIPPON
posted2009/09/13 08:00
日産自動車は今年の都市対抗野球の準決勝でトヨタ自動車と対戦し、投手戦の末1-0で敗れ、3位に終わった
プロ球界は休止する日産野球部の受け皿となるか。
なお、今年の日産自動車には通常ならプロ解禁でない高校卒3年未満、大学卒2年未満の選手が新人を含め8人いる。この中で熊代以外のプロ注目選手が田面巧二郎(たなぼ・こうじろう)。桐生市商時代の田面を見て、'08年のプロ入りがあってもおかしくないと思ったほど魅了された、本格派の右腕である。
休・廃部する社会人チームの受け皿になろうとする近年のプロ野球界ならば、田面のドラフト指名があってもおかしくはない。'06年には、やはりその年限りで休部が決まっていたシダックスの高校卒2年目・森福允彦がソフトバンクから指名され、入団している。この特例が日産自動車の有望選手にも適用されれば、名門が消滅するという寂しさが、僕にとっては少しだけ軽減されるのだが……。