プレミアリーグの時間BACK NUMBER
220億円の巨額補強でCL出場権確保。
稀代のヒール、マンCの次なる一手は!?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2011/05/11 10:30
守備の構築には定評があるものの、攻撃の指導には疑問の声もあるマンチーニ。インテル時代はリーグ三連覇の一方で、CLではベスト8が最高成績。来季もこの壁を破れないようだと、更迭は免れないだろう
負けたら解任、勝っても更迭の危機にさらされる監督。
マンチーニは、基本の4-2-3-1を「現在の顔ぶれに適しているだけだ」と説明しており、固執する様子は見られない。
トップ4入りを果たして今季を終えれば、野心家のオーナーは、優勝争いへの本格的な参戦を来季のチームに要求するだろう。となれば、1ポイントではなく3ポイントを奪う試合を増やすために、今季はトップ3に水をあけられた得点数(35試合54得点)を改善しなければならない。
その鍵は、「ダイアモンド型の4-4-2」にあるのかもしれない。カカ(レアル・マドリー)、ウェスレイ・スナイデル(インテル)など、トップ下に適した大物の名前が夏の獲得候補として噂されている点も興味深い。
但し、破格の財力にCL出場のステータスが加われば大物監督も招聘できるだけに、監督交代の噂も後を絶たない。
FAカップ優勝を果たせば、来季の補強予算は青天井に!?
本人が「マンCはあり得ない」と発言しても、ジョゼ・モウリーニョ(レアル)の動向が注目され、今季終了後に進退が決まるカルロ・アンチェロッティ(チェルシー)という線も浮上している。
アンチェロッティは、ACミラン時代に、カカを頂点とするダイアモンドを輝かせた実績の持ち主だ。
だが、目標の4位に加え、FAカップ優勝で35年ぶりのタイトルをクラブにもたらす結果となれば、マンチーニの続投が妥当だろう。
5月14日に行なわれるFAカップ決勝の相手は、プレミアで中位のストーク。
タフに守るチームだが、フィジカルで互角、敵にはない攻撃タレントを抱えるマンCには順当勝ちが見込まれる。