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モウリーニョは戦わずして全面降伏!?
2点を背負うレアル、「奇跡」の条件。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byReal Madrid via Getty Images
posted2011/05/02 10:30
退席処分を受けたモウリーニョが、そのままベンチ裏の観客席に陣取り、メモをスタッフに渡しながら試合の指揮を執る、という珍しい風景も見られた4月27日のクラシコ。「また10人になった。なぜバルサと対戦するチームは、いつも10人で戦わなければならないんだい?」と試合後には語っていた
「90分のプレー時間が残っている」とグアルディオラ。
あとは理想的なスコアを手にしたことで生じかねない慢心だが、これはモチベートの達人であるグアルディオラがしっかり対策を立ててくるはず。既に彼は第1レグ後の会見で選手達、そしてメディアに対して次のようなメッセージを送っている。
「まだファイナルには辿りついていない。90分のプレー時間が残っている。精神的、心理的に良い準備を整えなければならない。9つのタイトルを持つチームが白旗を挙げることなど絶対にない。それは子供の頃から、選手として監督として何度も見てきた」
「バルセロナの新聞は相手がどのようなクラブなのかを理解しているはずだ。全ての新聞、ラジオにお願いしたい。まだ手にしていないことを信じるという過ちは犯さないでほしい」
昨季の準決勝第2レグ。モッタを退場で失ったモウリーニョのインテルは、「ゴール前にバスを横付けする」と揶揄された超守備的な戦いを貫くことで、バルサの猛攻を1ゴールに抑え、決勝進出を果たした。だがホームの第1レグで3-1とリードを得ていた当時とは違い、0-2のビハインドを背負う今回は困難のレベルが違う。
先の会見でモウリーニョは何度もあの試合のことを「奇跡」と表現していたが、今回彼はその奇跡をも超える偉業の実現に挑む。もし本当にそれを成し遂げたら……試合後の会見で彼は何と言うだろうか。