サハラマラソン挑戦記BACK NUMBER

暑いし、重いし、痛いし、怖いし……。
サハラで地獄のマラソンがスタート!! 

text by

松山貴史

松山貴史Takashi Matsuyama

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photograph byTakashi Matsuyama

posted2011/04/19 06:00

暑いし、重いし、痛いし、怖いし……。サハラで地獄のマラソンがスタート!!<Number Web> photograph by Takashi Matsuyama

「日本代表」気分でメディカルチェック待ち

3月28日(月)

 パリ到着。

 フランクフルトでの乗り継ぎに失敗するという、最悪のミスを犯すが、ルフトハンザ航空の配慮により、なんとか助かった。だが、いきなり暗雲立ち込めるスタートだ。ホテルに着き、「パリで執筆なんて作家のようだ」と妄想にふけりながら原稿を書く。その後はジェットラグのため、ずっと眠る。

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3月29日(火)

 折角パリに来たのだからと市内を観光。一つだけ分かったことは、パリはサハラマラソンに出るためだけに来る場所で無いということだ。街自体がおしゃれ過ぎる。

3月30日(水)

 大会指定のホテルに移る。旧日航系のホテル、NOVOTELへ。4つ星だけあって、とても素敵だ。今から砂漠に行く人間に、このようないいホテルを用意するのは、現実世界とのより大きなコントラストを狙ってのことだろうか。それともこの先の地獄に向けて、最後に天国を見せておこうと考える事務局の作戦なのだろうか。どちらにせよ恐ろしい。この日、前々回のコラムで紹介した眞守君達と会う。

3月31日(木)

 早朝。朝練と称してエッフェル塔~凱旋門を若者チームで走る。もはや観光気分である。パリの素敵な街並みを拝んだ後、日本人選手の全体初顔合わせへ。やはり、サハラマラソンにエントリーするだけあって、凄い濃いメンバーだ。七大陸の各最高峰の山を制覇した方や、サハラマラソン16回目の方、ウィンドサーフィンでオリンピックを目指していた方……。それぞれの紹介をしているとキリが無いので割愛するが、本当に凄い方々ばかりだ。

 簡単に大会の概要を聞くと、今回の大会は過去最長の251kmになっているらしい。約250kmと聞いていたので230kmぐらいだろうと思っていたが甘かった。持ち物チェックの際、「コンパスの使い方分かりますか? 昔適当に走っていてアルジェリアに行った方いるんで注意して下さい」の一言があった。サラリとこんな危なっかしいフレーズを聞けるのはこの大会だけだろう。

 午後は、日本人選手の何人かでフランスのアウトドアショップに出かける。「ホテルからだと15kmらしいですね。歩きますか」冷静に考えればありえない発言だ。ちなみに新宿~吉祥寺間は約13kmである。海外のアウトドアショップだけあって、品物も豊富で、売っている食品のカロリーも多い気がする。目当てのエマージェンシーシート(銀色の大きなアルミホイルみたいなもの)も購入できたので、近くのノートルダム大聖堂を見てホテルに帰る。いよいよ明日はモロッコだ。

【次ページ】 飛行機、バス、ジープの荷台で延々と連れていかれ……。

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