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ボルグからフェデラーへ。
受け継がれた偉大な歴史。 

text by

吉松忠弘

吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu

PROFILE

photograph byMannys Photography

posted2007/07/26 00:00

ボルグからフェデラーへ。受け継がれた偉大な歴史。<Number Web> photograph by Mannys Photography

 貴賓席に座っていたビヨン・ボルグは、目の前でロジャー・フェデラーの5連覇をしっかりと見届けた。ウィンブルドン男子決勝。フェデラーと全仏覇者のラファエル・ナダルは、ともにボルグの偉大な記録に挑んでいた。5連覇は'76〜'80年のボルグ以来。ナダルが目指した全仏、ウィンブルドンを同年に制するのも、'78~'80年のボルグ以来だった。表彰式が終わると、ボルグはフェデラーを抱きしめた。「彼なら6連覇でも7連覇でもできる」。偉大な選手同士が、テニスの歴史で結ばれた。

 '68年、プロに門戸を開放したテニス界は、テニスをメジャースポーツにのし上げるスターを欲していた。そこに颯爽と現れたのが、金髪をなびかせ、彫りの深いマスクのスウェーデンから来た青年だった。'73年全仏で4大大会デビュー。当時16歳のボルグは、翌年の全仏で4大大会に初優勝すると、瞬く間にスターダムにのし上がった。動く広告塔とは、彼のための言葉だった。長髪を留めるヘアバンドひとつにもスポンサーがつき、ラケットは欧州と米国でメーカーを使い分けた。ボルグ見たさに観客が殺到し、テレビの視聴率もうなぎ登り。テニス界全体が、ボルグの影響で潤った。

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