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病を克服して6連勝。
全米が注目するグリンキー。
~心の病から復帰したエース~
text by
津川晋一Shinichi Tsugawa
photograph byYukihito Taguchi
posted2009/06/01 06:00
社会不安障害。あまり聞きなれない病名だが、対人恐怖症やあがり症と言い換えれば分かりやすいだろう。人前で極度の緊張や不安を感じ、そういう場面を回避するようになるというこの病を克服して、今シーズン飛ぶ鳥を落とす勢いなのがロイヤルズのザック・グリンキーだ。
5月4日のホワイトソックス戦に先発し、6安打無四球で今季2度目の完封勝利を収め「今年のベストゲームになるだろう」と相好を崩したグリンキー。開幕6連勝および54奪三振はもちろん両リーグ単独トップで、6試合を終えた段階で防御率は驚異の0.40。この成績を上回るのは、過去にF・バレンズエラ('81年・ドジャース)とW・ジョンソン('13年・セネタース)だけ。新聞やテレビなど全米のメディアはこぞって“ベストピッチャー”の見出しとともに彼を採りあげ、スポーツイラストレイテッド誌でも表紙を飾るほど一躍その名は広まった。