「これからまた365日、この瞬間のために頑張りたい」

　しかし、最終日はきちんと反省を生かしてプレーできたことは、次へとつながる経験ともなったに違いない。2番パー5ではマスターズで初めてのイーグルを記録するなど、通算3アンダーまでスコアを伸ばした。同学年のアマチュア、松山英樹（東北福祉大）がローアマを獲得する活躍を見せたこともどこかで意識していたはずである。石川にとって3度目のマスターズ、その結果はメジャー自己最高位となる20位だった。

「もっとゴルフをやりたいし、もっとゴルフのことを考えたい。今年のマスターズはもう終わってしまったんで、これからまた365日、この瞬間のために頑張りたいと思います」

　最終日の18番、グリーンに上がってくるタイミングで、ちょうどすぐ隣の9番グリーンに優勝争いに加わっていたタイガー・ウッズがいた。

　オーガスタ入りしてからの石川は、ウッズと優勝争いをするイメージトレーニングを繰り返してモチベーションと集中力を高めてきた。しかし、理想と現実のギャップは9ホール、約2時間分あった。予選通過という第一段階を突破し、来年に向けてはそのギャップを埋めていかなければいけない。

　小学生の時に優勝を夢に掲げた20歳のマスターズまで、あと1年である。