青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER

石川遼、3度目のマスターズ総括。
自己最高位に到る19歳の「心技体」。
 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2011/04/12 10:30

石川遼、3度目のマスターズ総括。自己最高位に到る19歳の「心技体」。<Number Web> photograph by KYODO

マスターズにおける自己最高位となる20位でフィニッシュした石川遼。東日本大震災への義援金は、賞金で約792万円、13バーディー1イーグルで140万円となり、合計で約932万円となった

「気持ちの強さというのは練習量と練習の質だと思う」

 続く16番パー3も石川にとっては鬼門といえるホールだった。

 これまでの2年間は2日目のピン位置がいつもバンカー越えの右手前に設定されてきた。狙いどころはピンとバンカーの間のわずか5ヤード程度のスペース。そこから外れれば、グリーンの傾斜でボールはどんどんピンから遠ざかってしまう。

 初出場の'09年はティーショットがバンカーにのみ込まれ、そこからのアプローチも大きくオーバー。予選突破が絶望的となるダブルボギーを叩いた。昨年もカットラインがちらつき始めた中で、アイアンショットは狙いよりもわずかに左にずれ、大きく左に転がっていった。この時もボギーだった。

 ティーショットもバンカーからのアプローチも、過去2年は“技”が足りないことをまざまざと思い知らされた。今年もピン位置はほぼ同じ。そして石川は9番アイアンで放ったショットを手前2.5mの絶好の位置につけたのだった。

「気持ちの強さというのは練習量と練習の質だと思う。最近やっと練習するための体力というのもついてきた。特にこの2カ月間ぐらいはマスターズで36ホール気持ちを切らさずにうまくプレーするためにたくさん練習しようという考えをしっかりもっていた。最近気づいたことではあるんですけど、練習して球をたくさん打って、質の高い練習をしていれば、絶対に精神的にも強くなると思ってやってきた」

予選とは一転して「消極的なゴルフが露呈された」3日目。

 技を磨き上げるために必要な充実した“体”も年月をかけて作り上げてきた。それぞれが絡み合いながら、石川はマスターズの予選を通れるだけの心技体を整えてきたのである。その成果が20位での予選通過という結果になってきっちりと現れた。

「1年間この瞬間のために練習してきてるというのがプレッシャーとか不安につながることもあれば、それが最後には支えになってくれる時もある。この気持ちとはもう一生付き合っていかないといけない」

 特別な思いが後押しとなったのが予選2日間なら、3日目はそれがネガティブに働いたラウンドだったかもしれない。相次いでパットがショートするなど「自分の消極的なゴルフが露呈された」と深く反省する1日となり、優勝争いに加わる願いも潰えた。3年かけてたどり着いた予選通過の達成感は、マスターズであるがゆえにそれだけ大きかったということだ。

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