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素材よりも努力で弟を凌駕する堂上剛裕。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

posted2007/08/23 00:00

 福留孝介がヒジの故障で戦列を離れることになった時、中日・落合博満監督は、辻発彦・二軍監督に連絡を入れ、「思い切りのいいバッティングができる野手」の調達を頼んだ。落合は現役時代、いくら打っても一軍に上げてもらえず苦労した時期がある。それもあってか、若い選手にチャンスを与えることには積極的だ。

 2年目の新井良太、4年目の中村公治と堂上剛裕。後半戦スタート早々の7月24日に3人合わせて一軍登録されると、27日のヤクルト戦にそれぞれ代打で起用された。ここでチャンスをつかんだのが堂上剛だった。いきなりプロ初安打となる二塁打を放つと、次の打席でもタイムリー三塁打を打ってプロ初打点をあげる。四球で出塁した新井がその後も使われ、センターフライに終わった中村公が再び二軍落ちしたことを考えると、この日が運命の分かれ目だったか。

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