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トロントを支え続けたカーター時代の終わり。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2005/01/20 00:00

 カナダの人たちは隣国アメリカに対して複雑な思いを抱いている。憧れの気持ちと、ほんの少しの劣等感。アメリカ文化に影響を受けながら、大国アメリカに簡単には屈したくないと反発する気持ち。トロント・ラプターズと、ラプターズのアメリカ人スター選手、ビンス・カーターの7年間にわたる関係も、そのアメリカとカナダの関係を映し出していた。

 '98年、ドラフト直後のトレードでトロントにやってきたカーターは、超人的なジャンプ力と、豪快なダンクでいっぺんにトロントニアンを魅了した。ついたニックネームはアリーナのスポンサーでもあるカナダ航空にちなんで「エア・カナダ」。カーターは、当時まだ設立3年のひよっこNBAチームだったラプターズに鮮やかな色彩を与え、『アイスホッケーの街』のトロントニアンたちの目をバスケットボールに向けさせた。

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