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【動画】「もう陸上やめていいかな」橋岡優輝が東京世界陸上“予選敗退”で味わった喪失感と復帰後の胸中「名刀ではなく、妖刀を目指したい」 《インタビュー/後編》
「正直、メンタル的にはかなり難しかったです」
日本走幅跳のエース、橋岡優輝。右肩上がりで成長を続けてきた彼にとって、自国開催の昨年9月の東京世界陸上は飛躍を期待された舞台だった。
しかし周囲の期待とは裏腹に、当時の橋岡の心は揺らいでいた。

シーズン序盤こそ記録は出ていたものの、技術的な感覚と実際の跳躍の間には埋めようのない乖離が生じていた。さらにそこに怪我も重なってしまう。
「思い切りやりたいけど怪我があったり、うまくいかないんじゃないかという不安が常に心の中にあって。そういう葛藤を抱える中でまた故障をしたりして・・・。当時は〝怪我をしたんだからやれることをやるしかない〟とポジティブに振り切れるほど、助走や技術もまとまっていなかった。どっちつかずの心のまま試合を迎えてしまったという感じでしたね」
東京世界陸上、予選。橋岡を待っていたのはわずか3cmという、指先ほどの差で決勝進出を逃す厳しい現実だった。この事実は、彼にとっては単なる敗北以上の衝撃だったという。
「(予選敗退の喪失感は)めちゃめちゃ食らいましたね。そこから記憶がないんですよ。ミックスゾーンも〝多分通った〟というくらい。頭の中はもう完全に真っ白でした」
あまりのショックから自分自身を守ろうと「心の防衛本能がシャットダウンしたんのでしょうか?」とたずねると「そういう解釈も面白いかもしれませんね」と橋岡は笑ったが、当時は本気で陸上と距離を置こうと考えていたと明かす。
「もう陸上はやめていいかな。もう面白くないし、全然やめていいと思ってました」

彼を最後に踏みとどまらせたのは、自身が大切にしている判断基準と不器用なまでの誠実さだった。
「やめるのは簡単じゃないですか。でも今まで支えてくれた人たちに、まだ何も恩返しができていない。ここで投げ出すのはあまりにも不義理だと思ったんです。男じゃないなって」
逃げるように競技から去ることは、橋岡の中にある負けず嫌いが許さなかった。どうせ終わるにしても、泥を塗るような形ではなく、納得して終わりたい。その執念が、彼をつなぎ止めていた。
苦しみの時間が圧倒的に長く、理想を追い求め続ける〝職人〟のように厳しいプロセス。彼にとってはそれこそが陸上・走幅跳のリアルといえる。
理想に近いジャンプは「まだ1本もない」
インタビュー動画・後編では以下のトピックについても話をしてもらっている。
- 「ポジティブに振り切って考えられなかった」その背景は?
- 「陸上を離れます」の言葉の裏にあったもの
- 世界陸上後の3カ月は「まったくトレーニングをしなかった」
- 陸上の楽しさを再確認した出来事とは?
- 理想に近いジャンプは「まだ1本もない」の衝撃
- 「スプリンターすぎず、ジャンパーすぎず」
- 言語化が習慣になった恩師の言葉
- 「名刀ではなく、妖刀を目指したい」
- 癒やしの時間はドライブと実家の愛犬
インタビュー中、橋岡の言葉は常に冷静でありながらも静かな熱を帯びていた。2028年ロス五輪は「まだ目指すとか、思いを馳せるところにまで自分が到達していない」と謙遜するが、もちろん金メダルを狙っているに違いない。
「今はまだがむしゃらに。目標に向かって、鋭く、自分自身を研鑽していければ」
6月の日本選手権では7m89で優勝し、今秋のアジア大会の代表にも内定した橋岡。その思いに迫った動画インタビュー、前編とともにぜひご覧ください。
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