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【動画】「青学大・折田や中大・岡田には…」松井海斗が箱根駅伝で意識するライバルと“将来の鉄紺エース”が思い描く成長曲線《徹底解剖:東洋大学2025⑥》

2025/12/13

 箱根駅伝に挑む選手を動画でインタビューする連載「徹底解剖」に東洋大学・松井海斗選手(2年)が登場。ヘルニアから復活した今シーズン、前半はレース数を絞って練習を継続することに主眼を置いてきた。大学駅伝デビュー戦となった出雲駅伝を振り返ってもらいつつ、刺激し合うライバルの存在、箱根駅伝で走りたい区間などについても聞いた。
 NumberPREMIERでは箱根駅伝直前の東洋大学を徹底解剖。酒井俊幸監督のインタビュー動画も公開中だ。 

「ここ最近の中でも一番調子が上がってきています。箱根駅伝まであと1カ月、すごくいい状態なのかなと」

 取材は11月27日。上尾シティハーフマラソンで初ハーフを走った後、箱根に向けて練習を積んでいるタイミングだった。昨年8月にヘルニアが発覚し、10月には内視鏡手術。昨シーズン後半は思うように練習すらできなかった悔しさがあったが、今の松井の表情には充実感も感じられた。

©️Takuya Sugiyama
©️Takuya Sugiyama

 松井の学生駅伝デビューとなったのが、10月の出雲駅伝だ。1区は高校3年時の全国高校駅伝、都道府県男子駅伝でも経験した区間。レース前は調子も上がってきていたというが、先頭とは23秒差の区間11位に沈んだ。

「勝つレースのためのプランも立てられていて、調子もそれに伴って上がっていました。それだけに悔しさが残るレースになってしまったのかなと思います」

 いつもなら誰かが先に仕掛けても対応できるだけの精神的なゆとりを持ったり、動き出せる位置をキープできる。しかし出雲では焦りがあったのか、対応するために力を使ってしまい、ラストスパート勝負に置いていかれてしまった。

同学年の選手たちから受ける刺激「勝ってやろう」

 区間賞を獲得したのは中央大で、同じ2年生の岡田開成だった。岡田とは出雲でのホテルが一緒で、試合前に食事のタイミングやお風呂などで会い、話をしていたという。

「岡田には出雲駅伝まで高校時代から1回も負けたことがなかったんです。ただ、全部勝っているとはいえ数秒差ということもあり、自分でもライバル視している選手ではありました。絶対勝ってやろうと思っていたんですけど、最後に自分のことをうかがってからラストスパートをまだ持っていたような力があって。相当練習を積んできていると感じたし、自分ももっとやらないと、という気持ちになりました」

 他にもライバル視している選手がいるかどうか聞いてみると、青山学院大・折田壮太の名前が挙がった。高校時代、伊那駅伝、インターハイ、都大路で常に上位で走っていた松井だが、折田は常にその松井の前にいた。今も連絡を取りあっているといい、出雲では折田も2区区間10位とふるわなかったが、自分たちの置かれた状況について出雲後にも話したという。

©️Yuki Suenaga
©️Yuki Suenaga

「どっちもうまくいかなかったな、と話したり…本当に空いている日があればご飯もたまにはいく仲であるので、箱根駅伝も2人で走ろうという話もして。ライバルでもありながら、一緒に頑張れる存在かなと思います」

「土台作り」の1年、夏合宿は「もうやりたくない」

 高校時代には貧血などで、夏合宿を通して練習を行えたことが1回もなかったという松井。今年、初めて怪我や体調不良なく夏合宿を行えたことは、確実に力になり、自信となっている。ただ長期にわたった合宿は相当きつかったようだ。

「全部をこなしきるのは本当に苦しくて、『もうやりたくない』というレベルでした。特に、蔵王での合宿はきつかったですね(苦笑)」

 練習を継続できたことでスタミナがつき、初ハーフマラソンとなった上尾ハーフでは61分44秒で9位。レース中にタイムロスをするアクシデントもありつつ出したタイムには「順位よりは楽しんで走ろうと思っていた」と気にしていない様子だったが、タイムを箱根駅伝のコースに当てはめると…と冷静な分析も話してくれた。

©️Takuya Sugiyama
©️Takuya Sugiyama

 箱根駅伝では走り慣れた1区のほか、2区への興味も出てきたと話す松井。自分の立ち位置を見極めつつ、静かに闘志を燃やしている様子が印象的だった。

 動画では他にも以下のような話題に触れている。

  • 「緊張感がすごかった」出雲駅伝1区の駆け引き合戦
  • 「辛い」夏合宿をどう乗り越えたか?
  • 上尾ハーフの戦略と同期・宮崎優から受けた茂樹
  • 芽生え始めた「主力の自覚」
  • 同期で一番伸びてきている選手とは?
  • 全日本大学駅伝に出場できなかったときのチームの雰囲気

 酒井監督にも「将来の鉄紺のエース」と期待される逸材。今後どのような成長を見せてくれるのか注目だ。(11月27日取材)

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photograph by Takuya Sugiyama

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