箱根駅伝に挑む指揮官を動画でインタビューする連載「駅伝監督」に創価大学の榎木和貴監督が登場。トラックシーズンでは4月の学生個人選手権、5月の関東インカレ、6月の日本インカレといずれも創価大学勢が上位に入り、存在感を示しました。特に小池莉希は日本選手権5000mで決勝に進出するなどエースと呼べる存在に成長。今年も駅伝で上位争いに絡んでくるであろうチームの「今」を、じっくりと掘り下げました。
NumberPREMIERでは今季の創価大学を徹底解剖。近日中に、石丸惇那(4年)、野沢悠真(4年)、小池莉希(3年)の3選手の動画インタビューも公開します。
「去年は吉田響、吉田凌を中心に4年生の勢いがありましたが、今年は4年生の人数自体が少ないです。その中でも深川合宿では、4人の4年生が中心となって引っ張ってくれました」
今回のインタビューを行ったのは夏合宿をすべて終えて東京に帰ってきた翌日。夏合宿の手応えをたずねると最上級生の取り組みを評価します。この数年、創価大では恒例となっているケニア・ニャフルルでの合宿には、今年は黒木陽向(4年)、小池莉希(3年)、山口翔輝(2年)、石丸修那(2年)の4人が参加。昨年は怪我をするメンバーもありましたが、今年はしっかりと3週間、予定した練習に取り組めたそうです。
そもそもなぜケニア合宿を始めたのか。始まりは東京世界陸上の10000m日本代表・葛西潤(旭化成)の「海外で合宿をしたい」というリクエストでした。榎木監督がケニアにつてを持っていたので実施できたそうですが、国内の合宿よりも費用もかかり、生活面、特に食事などが日本のようにはいかないため、覚悟を持った選手しか適応できません。自分で考え行動し、やりたいと申し出てくる選手から選んで派遣しているそうです。
「ケニア合宿の参加は、私から働きかけることはしません。行きたい人はまずパスポートを自分で取得することから始まりますね」

トラックシーズンでは関東インカレ、日本インカレに出場した選手はほぼ全員が入賞。大学長距離界の中でしっかりと存在感を示しました。しかし、課題となるのは中間層以下の底上げ。これまで榎木監督は夏の2次合宿では主力級が参加する深川合宿に帯同してきましたが、今回は中間層以下が合宿を行う御嶽に帯同。いわゆるBチームと生活面から行動を共にすることで、走力以外の部分、意識の部分から底上げをはかろうと取り組んだそうです。
前半シーズン、特に目立ったのが小池の活躍です。学生個人、関東インカレ、日本インカレと出場したレースで上位に入りましたが、前半飛び出して、後半に徐々に失速して吸収されるというレースが目立ちました。そこから本人と戦略を練り直し、日本選手権の5000mでは強豪ひしめく中、見事予選を突破。「しかし決勝は…」と苦笑しますが、「来年につながるレースだったと思います」と評価します。

「6強」ではない?しかし狙うのは…
「青山学院大の原晋監督が、今年の駅伝は『6強』と挙げていましたが……」と話を向けると、「6強ではないんですよ」と苦笑いの榎木監督。御嶽合宿で直接見た青学大の充実度に衝撃を受け、冷静に自分のチームの立ち位置を見つめながらも、「三大駅伝3位以上」の目標に向かって、虎視眈々と上位を伺う意識も感じさせました。
動画では、以下のようなトピックについて触れています。
- 中間層で特に目立った選手
- エース格となった小池と吉田響の差とは?
- 「ロード型」野沢悠真、山口翔輝への期待
- 絶対的エースが抜けた昨年との変化
- 箱根駅伝、復路候補は選任ですでに練習中?
- 三大駅伝のうち、一番優勝のチャンスがあるのは…
- 「日本のエース」となった葛西潤の4年間
- 想像してしまう「葛西vs.吉田響」
爆発的な存在が抜けた今だからこそ、チームをしっかりと作り上げていることを感じさせた指揮官のインタビュー。「3位以上」の目標、どこまで上位に絡んでくるか注目です。(9月11日取材)
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