今回は、12月4日に開幕するグランプリファイナルから、シニア男子の展望について。鍵山優真、佐藤駿の他にも非常に個性豊かな面々が揃った今回。日本勢への期待と海外選手の「推しポイント」についても伺いました。
グランプリファイナル・シニア男子の出場者は、イリヤ・マリニン、鍵山優真、佐藤駿、アダム・シャオ・イム・ファ、ミハエル・シャイドロフ、ダニエル・グラスルの6人。「個性派すぎて、どこから解説していいやら…!?」と野口さんも言うほど、“キャラの立った”出場者が揃いました。
さらに、近年のルール改正により、バックフリップ、片手側転などアクロバティックな表現が激増。アクロバティックすぎなのでは…?という中で、“正統派”なのが鍵山優真選手です。
鍵山選手について、野口さんは「ジャンプに迷いを感じさせる」と評します。「スケーティングの素晴らしさ、決まったジャンプの素晴らしさ、質の高さは圧倒的です。フリーでは4回転3本と心を決め、ただただ質を上げていくだけで320点から330点いくんだから、それでいいじゃん! というのが、勝手な意見です」と野口さんは笑います。

全日本チャンピオンとして、羽生結弦さん、宇野昌磨さんが引退した後を背負っていくという責任を感じている鍵山選手。真面目すぎるがゆえ、考えすぎ、背負いすぎている印象があります。4年前の北京五輪のときは、羽生さん、宇野さんに次ぐ3番手としてのびのび、やんちゃに演技を楽しみ、銀メダルを獲得。その時と比べると精神的な意味で、良さがなくなっているのではと感じさせてしまいます。
「宇野さんがトークショーのときに、『(佐藤)駿くんは自分と似ていて、練習したものが出なくて苦しんでいる。優真くんは試合本番でミラクルを出せるタイプ』と言っていたんです。そういったミラクルを起こせる力を持っているし、本来の性格はそっちなんだなと思うと、“王者の責任”とかはいいから、突き抜けてほしいと思いますね」
覚醒の佐藤駿、「職人的」な滑り
今季好調の佐藤駿選手については「間違いなく覚醒している」と太鼓判。「自分の仕事をきっちりやっている職人、という感じですね。『男は黙って4ルッツ』です(笑)」。ジャンプのうまさは努力ももちろんありますが、軸の細さや回転の速さは天性のもの。ここからさらに伸びしろも期待できます。NHK杯ではフリーの点数が1位だったと考えると、今回のファイナルでも表彰台に近い存在であることは間違いありません。

そして優勝候補としてずば抜けた力を持っているのが、イリヤ・マリニン選手です。フリーは自分の声を吹き込んだ「A voice」というナンバーで、自分の生き方を示すことがテーマ。「すでに他人との戦いではなく、自分探しの旅になっています」と野口さん。グランプリシリーズではフランス大会で4回転を5本、アメリカ大会で6本入れてきました。ファイナルでは7本入れてくるのか、こちらも注目です。
ポッドキャストでは以下の話題でも盛り上がりました。
- 鍵山優真は「300点なんて余裕!」
世界で初めて5回転を跳ぶとしたら誰?
マリニンは体力がありあまっている!
個性派・アダムの強み
ミハイルの「謎ジャンプ」に注目
全員が強烈な個性を持ち、最高レベルのぶつかり合いが見られる予感の男子シニア。ポッドキャストで予習しつつ、戦いを待ちましょう!(12月1日収録)
※ポッドキャストをお聴きいただけるのはNumberPREMIER会員限定で、このページ下部でご視聴いただけます。
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