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【Podcast】坂本花織がラスト五輪に臨む心境、中井亜美の“勢い”はどこまで…アメリカ女子もメダル争いに加わり、最後まで目が離せない戦いに《五輪女子展望》

最後のオリンピックに臨む坂本花織。誰が金メダルに輝くのか予測がつかない女子シングル
 長年フィギュアスケートを取材し、選手とも信頼関係が深いライター野口美恵さんをゲストに、取材の裏話やホットなトピックをマニアックに解説してもらうポッドキャスト番組「リンクの残響」。毎月、様々な角度からフィギュアスケートを掘り下げている。
 今回のテーマは、開幕目前に迫ったミラノ・コルティナ五輪の女子の展望について。エースの坂本花織は金メダルが期待されるが、1つのミスで大きく順位が変わってしまうのが女子の怖いところ。日本選手を中心に、注目選手について掘り下げた。

「坂本花織選手の金メダルはもちろんみんなが期待しているし、もちろん本人も期待していると思います。ただ、女子は本当に接戦です。坂本さんが圧倒的な世界女王ではあるものの、アリサ・リウ(米国)が『ノープレッシャーです!』って出てきた時に強いというのもありますね」

 男子とは違い、ジャンプの構成がほとんど変わらない中で戦っている女子選手たち。その分、ジャンプで1つミスをしたことが響き、演技力でカバーできなくなる、ということにもなりかねない。「ただ全員がノーミス、パーフェクトでやった時には坂本さんが一番強いことは間違いないから、それを信じてやるしかないですね」と野口さん。

©️Asami Enomoto
©️Asami Enomoto

 引退を宣言して臨む最後のオリンピックは、ライバルというより「自分がベストの演技をして笑って終わる」ことが何より大事だと坂本は考えている。「何色のメダルのためにノーミスをします、じゃなくて、やっぱりパーフェクトの演技をして、自分のラストシーズンのオリンピックの演技をみんなに見てほしいという気持ちでいるところがいいし、それを周りも忘れずに見ててあげないと」と野口さんは坂本の心境を改めて説明した。

勢いの中井亜美、美しさの千葉百音

 一方、「勢い」という点では別格なのが17歳でオリンピックに出場することになった中井亜美だ。ジュニアの時から国際大会でメダルを取り、実力は十分だったところでシニアに上がり、いきなりのグランプリシリーズ優勝。この怖いもの知らずの勢いでトリプルアクセルもしっかり決めれば、優勝の可能性も大いにある。野口さんは「演技もジャンプに頼る感じでは全然なく、プログラムもいいものを作っています。ベテランの人のスケーティングとはタイプが違いますが、若い人ならではのスピードの落ちなさがあります」と評価。十分メダル候補に入る存在だ。

©️Asami Enomoto
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 千葉百音はシーズン前半に苦しんだが、自分の演技を取り戻してきた。「やっぱり滑りは本当に美しいですね。女子のフィギュアといえばこれ、という滑りを持っています。彼女の持っていた力が去年評価されて、今年はそれをキープする1年でしたが、そこで少し苦労したと思います」。良かった年の次の年は苦しむ……というパターンに陥っていた千葉。しかしそれを乗り越えられたことが彼女の強さであり、この強さがあれば上に行けると野口さんは太鼓判を押す。

©️Asami Enomoto
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アメリカ勢も個性派揃い。日本女子と激突

 今年はアメリカ女子の強さも際立つ。日本と同様3枠を獲得し、アリサ・リウ、アンバー・グレン、イザボー・レヴィトを代表として送り出してきている。特にアリサ・リウは昨シーズンに復帰し、ノープレッシャーで「スケートが楽しい!」という雰囲気が今季も消えぬまま、勢いを保っている。

「アリサがこのまま楽しい! という感じで優勝しちゃうと、女子のみんなが今まで戦ってきたものは何なの? という感じにもなるかと思います。でも、オリンピックって、心の純粋な人のところに(栄冠が)輝くみたいな不思議なところがあるんです。その流れでいくと、彼女は強いかもしれませんね」

©️Asami Enomoto
©️Asami Enomoto

 対するアンバー・グレンは、全米女王としてさまざまなものを背負い、トリプルアクセルという大技を入れることの緊張感も抱えながら、アリサとは対極の姿勢で大舞台に臨む。スケートと自分に真摯に向き合い、苦労した上でメンタルコントロールを学び、身につけ、女子としてはベテランの域に入ってからトリプルアクセルを習得。人間として見本となるような選手であり、「こういう人が報われてほしいですよね」と思えてしまう選手だ。

 ポッドキャストでは他にも、以下の話題で盛り上がった。

  • 坂本花織に「がんばって」は禁句?
  • 中井亜美のスケーティングの基礎はどこからきているのか
  • ルナ・ヘンドリックス(ベルギー)はどれほど力が戻ってきているか
  • イタリア代表・ララナキのプログラムは「ジョーズ」!?
  • 「キム・ヨナ2世」もメダル争いに絡んでくるか
  • 中立選手団のロシア・ペドロシャンがついにベールを脱ぐ

 僅差での順位争いとなることは間違いなく、文字通り「最後まで目が離せない」戦いとなる女子シングル。坂本花織の有終の演技を目に焼きつけつつ、世界最高峰の戦いを楽しみたい。(1月30日収録)

※ポッドキャストをお聴きいただけるのはNumberPREMIER会員限定で、このページ下部でご視聴いただけます。

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photograph by Asami Enomoto

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